■デカ口の元祖は芸術的に進化中! アウディのシングルフレームグリル
アウディのシングルフレームグリルは、世界の自動車デザインに「デカい口」ブームを巻き起こした。
レクサスがスピンドルグリルを採用したのも、シングルフレームグリルの影響。ルームミラーに映った瞬間に、「アウディだ」と認識させるのが狙いだ。これによってアウディは、アウトバーンの帝王へと上り詰めたのである。
そのシングルフレームグリルの出発点は、2006年の3代目A6。発案した日本人デザイナー・和田智氏によると、「アウディの前身に当たるアウトウニオンのレーシングカー・タイプCからインスピレーションを得た」とのことだが、あんな葉巻型のクルマからぁ!? と絶句するしかない。
A6で初登場した頃は、まだバンパー部がうっすら残っていたが、その後完全にブラックアウトし、フロントフェイス全面が口! みたいな形状に進化。
その後はもう大きな変化は不可能で、輪郭を微妙に変えるだけに終始したが、Q8は輪郭に厚めの「唇」を加えることで、もう一段印象を強化することに成功している。
今後、オラオラグリルのトレンドは立体化。これ以上面積を広げられないなら、立体にするしかないじゃないか!
■ダイハツ タントカスタムに見る オラオラ軽スーパーハイトワゴン
軽ワゴンは、標準モデルとカスタム系、2種類の顔を作り分けるのが不文律(?)となっている。その文法を作ったのがダイハツ。1997年のムーヴ/ムーヴカスタムが最初で、以後なぜか全メーカーがそれに追随したのである。
軽スーパーハイトワゴンの草分け・タントを例に取ると、2003年の初代登場の1年半後、「オトコタント」の名称でタントカスタムが登場。この時はまだ、オラオラというよりもスポーティ路線で、2代目も同様だった。
本格的なオラオラ化は2013年登場の3代目から。アルファード/ヴェルファイアの快進撃に刺激されたのか、一気にメッキギラギラのパチンコ台顔に進化。小さなボディでどこまで威圧的な顔を作れるかにすべてを注ぎ込んだデザインとなり、マイチェンでさらに深化した。
が、2019年登場の4代目では、メッキよりもブラック基調のやや落ち着いたオラオラ顔に熟成された。ギンギラも行き着くところまで行って、リバウンドしたようだ。一方ライバルたちは、相変わらずギラギラ度を増している。このオラオラ競争、どこまで行くのか。行けるところまで行ってくれ!
■その他の軽スーパーハイトワゴンカスタム系
軽スーパーハイトワゴンカスタム系のオラオラ顔中、歴代ナンバー1は、三菱の先代eKスペースカスタム! このグリルのメッキ面積を見よ!
販売トップを爆走するホンダのN-BOXシリーズは、メッキ面積は控え目ながら、カスタム系の目つきをワルにして頑張っている。
スペーシアカスタムの顔は、先代タントカスタムとウリふたつのパチンコ台型オラオラフェイス。ここまでやるかというマネっ子合戦だ。
日産はカスタムの名称を使わず「ハイウェイスター」で突き進む。顔付きもライバルに比べるとかなり上品で、標準顔との差が小さい。
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