■コスパNo.4:日産キックス
●買い得グレード:X・2WD(275万9900円)
日産のコンパクトSUVで、全長は4290mm、全幅は1760mmだから、ヴェゼルと同等の大きさだ。しかし車内のレイアウトは異なり、キックスは後席の足元空間がヴェゼルよりも少し狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱だ。
その代わり荷室長はヴェゼルを上まわり、積載性に重点を置く。後席を使っている状態の荷室長は前述の900mmだから、全長が4500mm以下のコンパクトSUVでは最も長い。キックスは実用性を追求している。
グレード構成がシンプルで、基本的にはXのみだ。そのために装備は、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能のプロパイロット、通信機能とSOSコール、17インチアルミホイールなどが標準装着される。
ただし後方の並走車両を検知して知らせる安全装備はなく、基本設計の古さを感じさせるところもあるが、おおむねフル装備と考えて良い。
X・2WDの価格は275万9900円だ。機能や装備と価格のバランスは、全長が4000~4500mmのSUVとしては、ヴェゼルやカローラクロスの次に割安だ。内外装が少し地味で、売れ行きは伸び悩むが、荷室に重点を置いた充実装備のコンパクトSUVが欲しいユーザーにとっては選ぶ価値は高い。
■コスパNo.5:マツダCX-5
●買い得グレード:XDプロアクティブ・2WD(322万8500円)
価格の割安感を基準にしたSUVランキングの上位4車は、すべて全長が4500mmを下まわるコンパクトな車種だ。しかし5位のマツダCX-5は、全長が4575mm、全幅は1845mmだから、ミドルサイズに位置付けられる。
それだけにエンジン排気量も拡大され、上位4車は1.8L以下だが、CX-5は2Lを超えるエンジンを中心に搭載している。
特に買い得グレードのXDプロアクティブは、直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボを搭載して、最高出力は200ps/4000rpm、最大トルクは45.9kgm/2000rpmを発生する。
後者の数値は、4.5Lのガソリンエンジンと同等で強力だ。最大トルクの発生が2000回転と低いから、街中でもディーゼルならではの駆動力を実感できる。
その一方でディーゼルは燃料消費量が少なく、使用燃料の軽油も安い(正確には軽油に含まれる税額が低い)。そのために燃料代は、1.2Lのノーマルエンジンを搭載したライズと同程度だ。最近はディーゼルエンジンを否定する論調も多いが、動力性能と燃費の効率が優れ、埋もれさせるのは惜しい技術だ。
CX-5は全長が4500mmを超えることもあって車内が広く、荷室の容量も十分に確保した。その割に価格は安く、高効率なクリーンディーゼルターボに実用装備を組み合わせたXDプロアクティブ・2WDは322万8500円だ。ヴェゼルe:HEV・Zに比べて33万円高いが、動力性能の違いなどを考慮すれば納得できるだろう。
オプション価格も割安だ。クルージング&トラフィックサポート(3万3000円)、ハンズフリーパワーリフトゲート(2万2000円)などを装着すると、少額の価格アップで装備がさらに充実して便利に使える。
価格が割安なので、CX-5は販売も好調だ。2021年1~12月の登録台数は、1ヵ月平均で1869台だ。マツダの国内販売では、コンパクトカーのマツダ2に次ぐ売れ筋車種になっている。
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