知って得する!! EVの素朴な疑問と今買える国産EV

■今買える/これから出る国産EVと今後の動向

 ハイブリッドモデルでは世界に先行していた日本だが、EVではそこまで先進ではない。これは欧州ほど強力な法整備が進められず、EVを完全に受け入れるインフラが追いついていないこと、そしてまだまだガソリン車に比べてコストがかかるという理由が考えられる。

 とはいえ時代がEVに追い風なのは間違いなく、インフラ整備に伴って今後新たなEVモデルが登場することも予想されている。

●トヨタ

bZ4X(2022年中頃発売予定)…EV専用のプラットフォームを採用したトヨタ本気のEV。名称のbZはbeyond Zeroの略で「ゼロを超えた価値」を意味し、CO2排出量ゼロをイメージさせる。注目なのがルーフに装着されたソーラーパネル。1年で1800kmを走行可能な電力を発電できるという
bZ4X(2022年中頃発売予定)…EV専用のプラットフォームを採用したトヨタ本気のEV。名称のbZはbeyond Zeroの略で「ゼロを超えた価値」を意味し、CO2排出量ゼロをイメージさせる。注目なのがルーフに装着されたソーラーパネル。1年で1800kmを走行可能な電力を発電できるという

 出遅れている感のあったトヨタだが、12月に行われた説明会で15台もの新型EVを披露。さらに2030年までにグローバルで30車種ものEVを投入することを発表し、一気にこのカテゴリーでも主導権を握る勢いを見せた。

 投資額はおよそ8兆円というから凄まじい。説明会ではレクサスがEV中心のブランドになるとも発表され、あのLFAの後継たるクルマも姿を見せた。

●ホンダ

Honda e(451万円〜495万円)…コンセプトは都市型コミューター。全長4mを切るコンパクトなボディに、35.5kWhのバッテリーが搭載され、モーターは後輪の軸上に配置するリア駆動方式を採用。ボディのデザインも未来を感じさせてくれる
Honda e(451万円〜495万円)…コンセプトは都市型コミューター。全長4mを切るコンパクトなボディに、35.5kWhのバッテリーが搭載され、モーターは後輪の軸上に配置するリア駆動方式を採用。ボディのデザインも未来を感じさせてくれる

 ホンダのEVへの取り組みは早く、1980年代から開発に着手。1997年にEV Plus、2012年にはFIT EVをリース販売している。そして、2020年10月に新型EVのホンダeを発売。2021年4月には、2040年に自社製の四輪車をすべて電動化するという目標を発表している。

●マツダ

MX-30 EV(451万円〜495万円)…電動化新技術のe-SKYACTIVを採用したSUV。モーターやインバーター、コンバーターなどを一体化して車体前部に搭載し、ドライブをサポートするEVサウンドも発するなど、新たな発想でデザインされている
MX-30 EV(451万円〜495万円)…電動化新技術のe-SKYACTIVを採用したSUV。モーターやインバーター、コンバーターなどを一体化して車体前部に搭載し、ドライブをサポートするEVサウンドも発するなど、新たな発想でデザインされている

 これまでHVを持っていなかったマツダだが、ついにマイルドハイブリッド搭載モデルを市場に投入するとともに、欧州をターゲットに開発したEVのMX-30を発売。現状で市販されているEVはMX-30のみであり、本格的なEV展開はこれからといったところ。

●日産

アリア(539万〜790万200円)…日産初のクロスオーバーEV。従来のEVよりも航続距離が延ばされ、ボディデザインも既存のSUVのイメージから一新。バッテリーを車体中央に配置することで重量バランスの最適化も実現した。2WDとe-4ORCE(4WD)の2つの駆動方式を装備する
アリア(539万〜790万200円)…日産初のクロスオーバーEV。従来のEVよりも航続距離が延ばされ、ボディデザインも既存のSUVのイメージから一新。バッテリーを車体中央に配置することで重量バランスの最適化も実現した。2WDとe-4ORCE(4WD)の2つの駆動方式を装備する

 2010年に発売されたリーフによって、大手自動車メーカーとしてはEVの先駆者となったのが日産だ。そのリーフも2017年にモデルチェンジして、さらに性能を向上させた。

 日産は2050年までにクルマのライフサイクル全般におけるカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、2030年代早期には主要市場に投入する新型車すべてを電動化することを目指すという。そのための開発も力を入れている。

●スバル

ソルテラ(2022年中頃発売予定)…先に紹介したbZ4Xの兄弟車。ラテン語で太陽と大地を意味する言葉を組み合わせたソルテラの名称を持ち、スバルが得意とする4WD技術とトヨタのEV&HVに関するノウハウが高いレベルで融合。高度な走行性能を実現する
ソルテラ(2022年中頃発売予定)…先に紹介したbZ4Xの兄弟車。ラテン語で太陽と大地を意味する言葉を組み合わせたソルテラの名称を持ち、スバルが得意とする4WD技術とトヨタのEV&HVに関するノウハウが高いレベルで融合。高度な走行性能を実現する

 BRZなどのガソリン車の開発でトヨタと関係の深いスバルは、EVでもこの連携を継続。2022年に販売が予定されている新型EVのソルテラもトヨタと共同開発となる。

 BEV専用プラットフォームはトヨタbZ4Xと共用で、外装も多くのパーツが共有される。将来的なEV開発においても、トヨタとの連携が予想される。

●三菱

新型軽EV(2022年初頭発売予定)…2021年8月、三菱は日産自動車との合弁会社MNKVで開発した軽電気自動車を2022年に発売するというアナウンスを行った。モデルの詳細は公開されていないが、上で紹介した日産で販売するモデルの兄弟車となることが推測でき、i-MiEVの後継車的な位置づけのクルマになりそうだ
新型軽EV(2022年初頭発売予定)…2021年8月、三菱は日産自動車との合弁会社MNKVで開発した軽電気自動車を2022年に発売するというアナウンスを行った。モデルの詳細は公開されていないが、上で紹介した日産で販売するモデルの兄弟車となることが推測でき、i-MiEVの後継車的な位置づけのクルマになりそうだ

 2009年に世界初の量産型電気自動車のi-MiEVを発売したのが三菱。さらにミニキャブMiEVなどの商用軽EVも販売する同社が、ついにSUVタイプのEVをリリースする。

 2021年11月に中国で開催された広州モーターショーで、突然新型EVのエアトレックを発表。まずは中国での販売となるようだが、現時点で日本国内での発売はない。とはいえ今後の展開が期待できる。


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