■先代ヴェゼルは地味に淡々と売れ続けた
この経緯は、C-HRの販売動向を先代ヴェゼルと比べるとわかりやすい。先代ヴェゼルは2013年に発売され、2017年と2018年の売れゆきは、新発売されたC-HRを大幅に下回った。この販売順位が2019年には逆転して、設計の古い先代ヴェゼルがC-HRを上回っている。
先代ヴェゼルは、後席と荷室の広い実用型のコンパクトSUVだから、雰囲気は地味だが淡々と売れ続けた。目立ち度で勝負するC-HRは、持久戦に持ち込まれると弱味が露呈した形となった。
また2019年には、価格帯は異なるものの、同じトヨタから現行RAV4が登場した。その年末にはコンパクトSUVのライズも加わっている。2020年にはヤリスクロスの投入もあり、C-HRは身内となるトヨタのSUVに需要を奪われた面もある。
■改良を重ねたC-HRにはほかの車種にはない魅力がある


特にカローラクロスは、適度なボディサイズで、C-HRよりも後席と荷室が広い。C-HRの欠点とされる後方視界も優れているので、多くのユーザーにとってカローラクロスのほうが選びやすい。
C-HRの人気動向について販売店に尋ねると、以下のように返答された。「C-HRが発売された時は、トヨタのSUVは車種がかぎられていたが、その後に新型車が続々と登場した。車内の広さを求めるお客様には、価格は少し高いがRAV4がある。価格の安さなら、ライズやヤリスクロスという具合だ。C-HRの需要は、今ではほかの車種に分散して吸収されている」。
もっとも、C-HRも改良を重ねている。価格も割安で、C-HRハイブリッドSの2WDは274万5000円だから、カローラクロスハイブリッドSの275万円とほぼ同額だ。カローラクロスの2WDは、リアサスペンションが車軸式のトーションビームだが、C-HRは独立式のダブルウイッシュボーンになる。
ディスプレイオーディオのサイズも、カローラクロスは7インチだが、C-HRは8インチだ。サイズと価格が適度で、なおかつ目立つクルマが欲しい場合、C-HRは今でも候補に入るクルマとなっている。
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