■まとめ
コンパクトクラスを中心に5ナンバーをキープしている比較的新しいモデルは、現在の日本において拍手モノの存在だ。しかし、ヤリスやスイフトの海外仕様は3ナンバー幅となっており、日本仕様を5ナンバー幅にしてくれているのは有難いことながら、こういった配慮がいつまで可能なのかも不透明なのも事実だ。
例えば、日本仕様のカローラセダン。グローバル仕様は全長4630×全幅1780×全高1435mm、ホイールベース2700mmに対し、日本仕様のカローラセダンは全長4495×全幅1745×全高1435mm、ホイールベース2640mmと、全長135mm、全幅35mm、ホイールベース60mmも小さくしている。
トヨタはこれまでの日本の5ナンバーカローラオーナーのことを考えてサイズを小さくしたのだ。とはいえ、さすがにカローラアクシオの全長4400×全幅1695mmという5ナンバーサイズまでは収まりきれなかった。
そのあたりも考えると、もちろん歯止めのないボディサイズの拡大は賛成できないが、自動車税は排気量次第なのもあり、1750mm付近の全幅までは準5ナンバーのように許容してもいいのではないかと思う。
というのも1750mm付近の全幅であれば4代目レガシィや20年以上前のクルマとなるが、90系と100系のマークII三兄弟、現行車ではカローラセダンとカローラツーリングなど、取り回しは5ナンバー車とそう変わらず、前述の側面衝突への対応や走行性能の向上、見た目のドッシリ感といったバランスも取れるのではないだろうか。
つい10年ほど前まではセダンが全幅1800mmを超えるとデカすぎという声も多かった(2012年に登場したBMW3シリーズは日本の道路事情に合わせてドアノブを改良し全幅1800mm以内に収めた)が、今やミドルセダンは1830~1850mm級でも驚かなくなった。
ノア&ヴォクシーの全長と全幅は4695×1730mm、新型ステップワゴンの標準車のエアで全長4800×全幅1750mm。ちなみにLサイズミニバンのアルファードは全長4950×全幅1850mmだ。
カローラスポーツはグローバルカローラと共通の全幅(1790mm) だが、セダンとツーリング(ワゴン)は取り回しを考慮し、1745mmと、1750mm以内に収められている。
そんなことを考えていると、ノア&ヴォクシーと新型ステップワゴンの全幅1750mm以内が、これまでの全幅1700mm以下という5ナンバー基準が時代とともに拡大した数値で、これからのスタンダードに見えてくる。
今後、日本ではコンパクトカー以外は、5ナンバー車が減少していくのはやむを得ない流れとなりそうだ。
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