■動力性能&エンジンフィーリング比較
ノートオーラのe-POWERは、基本部分はノートと共通だが、チューニングは異なり動力性能を少し高めた。運転感覚では、実用域の駆動力を向上させている。
アクアも、ヤリスハイブリッドに比べると、実用域を中心に駆動力が高い。アクアの主力グレードでは、バイポーラ型ニッケル水素電池を使うことが利いている。
両車の性能は互角に近いが、ノートオーラのe-POWERは、モーター駆動が基本だから加速が滑らかだ。動力性能は同等だが、加速感でノートオーラが少し有利になる。
★勝敗:ノートオーラの勝ち
■走行安定性&操舵フィーリング比較
危険を避ける時などの安定性は両車とも互角だが、峠道を走る時の曲がりやすさは、ノートオーラが少し上まわる。アクセルペダルを故意に少し緩めることで、車両を内側に向ける運転操作も行える。ノートオーラの性格は上級指向だが、運転感覚は意外にスポーティだ。
アクアも走行安定性が優れ、安心しできるが、走りの奥が深いのはノートオーラになる。
★勝敗:ノートオーラの勝ち
■乗り心地比較
ノートオーラは、走りが機敏でスポーティな代わりに、乗り心地は硬めだ。車両の性格を考えると、操舵感は少しマイルドな設定に抑えて、乗り心地を向上させたい。
アクアも時速40km以下の低速域では硬めに感じるが、ノートオーラと乗り心地を比べると、少し柔軟な印象を受ける。
★勝敗:アクアの勝ち
■安全装備比較
安全装備はアクアが充実する。衝突被害軽減ブレーキは、自車が右左折する時に、直進車両を検知して衝突被害軽減ブレーキを作動させる。右左折時の歩行者検知も同様に行う。
ノートオーラも、2台先を走る車両を検知して、前方で異常が生じた時には早期に警報を発するが、総合的に判断するとアクアが先進的だ。
★勝敗:アクアの勝ち
■燃費性能比較
WLTCモード燃費を2WD同士で比べると、ノートオーラGは27.2km/Lだ。アクアでは、売れ筋のZとGは33.6km/Lになる。燃料消費量はアクアが少ない。
★勝敗:アクアの勝ち
■買い得グレードと価格の割安度比較
ノートオーラの推奨グレードはGで、価格は261万300円だ。運転支援機能のプロパイロットは、BOSEパーソナルサウンドシステムなどと併せてセットオプションになり、セットオプション価格は40万1500円と高い。合計すると301万1800円になる。
アクアの推奨グレードはZで、価格は240万円だ。ノートオーラと異なり、運転支援機能も標準装着される。
そこに後方の並走車両などを検知するブラインドスポットモニター、後退時の安全性を高めるパーキングサポートブレーキ、パノラミックビューモニター、車庫入れを支援するアドバンストパークなどのセットオプションを18万8100円で加えても、総額は258万8100円に収まる。
以上のようにアクアZは、ノートオーラGに比べて買い得だ。ノートオーラの場合、ベース車のノートが価格の割に装備を省いた。そのために冒頭で述べた通り、ノートオーラはノートに比べて装備を充実させた割に価格を安く抑えたのに、アクアに比べると割高になってしまう。
★勝敗:アクアの勝ち
■総合評価/どちらが買い?
機能や装備と価格のバランスではアクアが買い得だ。アクアは1か月の販売目標を9800台に設定しており、価格も割安に抑えた。
その点でノートオーラは割高で、運転支援機能のプロパイロットを装着すると、前述のように300万円を超えてしまう。ただし、内外装の質感はアクアを上まわり、プレミアム感覚もある。予算に余裕がある場合は、ノートオーラにも注目したい。
そしてノートオーラでは、8万9100円を加えてG・レザーパッケージを選ぶと、シート生地が本革になって後席のセンターアームレストも加わる。つまりG・レザーパッケージは、Gよりも買い得だ。
さらにG・レザーパッケージの価格に17万500円を加えると、エアロパーツ、アルミホイールと専用のハイグリップタイヤ、スポーティな内装、専用のサスペンションなどを備えたスポーツモデルのノートオーラNISMOを買える。
つまりノートオーラを含めたノートシリーズでは、グレードや仕様を上級化するほど、買い得になっていく。この価格設定の特徴も踏まえた上で、購入する車種やグレードを判断したい。
★勝敗:アクアの勝ち
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