欲しいクルマの条件は揃ったけど、車種をどっちにするか決まらない…… そんな悩みを解決するためテーマ別やカテゴリー別で2台をガチンコ勝負!
今回の対決は「三菱アウトランダーPHEV VS レクサスNX450h+」。自動車評論家 国沢光宏氏が、値段やカタログスペックだけではわからない性能差を5項目に分けて評価する!
※本稿は2022年2月のものです
文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年3月26日号
■最新PHEV SUV対決!!
●ハンドリング
これまでのレクサスは、いろんな意味で残念だった。ボディ剛性低く、ステアリング特性も「素直に曲がる」に遠い。アンダーステアのお手本でしたね。そして、乗り心地についちゃ従来の日本車と同じレベル。
けれど新しいNXはすべての評価軸で2ランクくらいレベルアップしてます。ボンネットのキャッチャーを輸入車のように2カ所としたら、驚くほどシャッキリした乗り味に。ハンドリングも見違えるようにレベルアップした。
一方、アウトランダーPHEVは剛性が高いWジョイントのステアリングギアボックスや三菱自動車得意の4WD駆動制御が光る。ハンドリングで優劣付けるとすれば、積極的に曲がろうとするアウトランダーPHEVに分がある。
●動力性能(加速性能)
これはもう明らかにNXだ。システム出力は309馬力というからアウトランダーPHEVの240馬力を大きく凌ぐ。実際、0〜100km/h発進加速6秒は、同8.2秒のアウトランダーPHEVより2ランクくらい速い。
アウトランダーPHEVもその気になれば短い時間にかぎりモーターや電池からパワーを引き出し、1秒くらい速くできると言うが、このあたりは最近イケイケのトヨタほど頑張れていないのかもしれません。マイナーチェンジに期待しておく。
●ドライバビリティ
甲乙付け難し。NX450h+もアウトランダーも街中で踏むアクセル開度レベルだと、走行用電池のパワーを使う。モーター出力こそNX450h+のほうが大きいものの、搭載している電池のパワーはむしろアウトランダーPHEVのほうが上か(このあたりは両メーカーともに詳細な出力を公表していない)。
どちらも電気自動車と同じレスポンスのいいドライバビリティを持つ。アクセル全開すると、電池のパワー+エンジンパワーが上乗せになる。この時のドライバビリティも互角と思う。
●4WD性能
アウトランダーPHEVはアクセル開けると後輪からトラクション掛けるような制御を入れている。舗装路から砂利道まで気持ちよ〜く曲がります。4輪をモーターで制御している新しさを感じる。加えて舗装路から砂利道、泥道、雪道など7つの走行モードを持たせた。
一方、NX450h+の制御ってわりとオーソドックス。エンジン車の4WDと似た制御を行っているんだと思う。トヨタも4WDに参戦し始めた成果が出ており、楽しくなってきたけれど、現時点ではアウトランダーPHEVの勝ち。
●PHEVとしての楽しさ
もう互角と言っていい。電池があるかぎり、滑らか&静かな電気自動車と同じ快適さを持つ。前述のとおりドライバビリティだってエンジン車を相手にしない。アクセル全開したらエンジンだけで走るクルマを相手にしないほどの加速性能を発揮する。
とはいえアクセル全開した時の楽しさからすれば、そこらのスポーツモデルより速いNX450h+に軍配を上げたい。こういった華やかな性能こそPHEVの魅力だと思っている。アウトランダーPHEVも、例えば高速道路の流入加速程度の短い時間だけでいいからパワーアップしてほしいと思う。
●総合評価
価格まで考えた時の総合評価は、アウトランダーPHEVの勝ちですね。
■判定
互角勝負だが、総合でアウトランダーPHEVの勝ち。
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コメント
コメントの使い方アウトランダー乗りですが バッテリーなくなっても常にEV走行は魅力的です。高速道路もパワーモード設定では何の不自由もありません。 よく曲がるよく走る静かな空間は素晴らしいです。日産の技術と三菱の技術のアウトランダーは、アライアンスで低価格を目指していると思います。
アウトランダー契約しました。評論家などからお墨付きですから。
所有車車検の関係とR4年補助金が尽きるとの思いで購入躊躇してたら半年前15万円値上げ。
R5年補助金に向けてと考えてたら、R5.12末でエコカー減税がなくなるとのこと。ここが買い時と判断しR4.12末に契約(登録はR5.4予定)
すると材料費高騰によりR5.2から22万円の値上げ発表。
なんだか得した気分です。