■ステアリングやシートを利用した筋トレ
さらに応用編として、別パターンも紹介しましょう。停車中、両手を逆手にして(手のひらを自分の方に向けて)ハンドルの一番上あたりを握り、ハンドルにしがみつくような感じで力を入れます。これだけで大胸筋に刺激が入りますが、先ほどの手を合わせる動作を行い、大胸筋がすでに疲れている状態からやると、なお効果的です。
これに慣れてくれば、大胸筋への刺激は走行中にも入れられます。ハンドルのやや下あたり、時計でいうと8時20分ぐらいを握りながら、ハンドルを軽く上に持ち上げるような感じで力を入れ続けます。体格にもよりますが、チルト調整を一番下にした状態で行うとなおいいでしょう。
ただしこのようなステアリングを使ったパターンの場合、操作に影響が出ると大変ですから、何度も曲がるような市街地での走行中はなるべくやめておきましょう。高速巡行中の眠気冷ましとして、またサービスエリアなどで食事したあとに、上がった血糖値を下げる(燃焼させる)目的で行うのがいいと思います。
停車中のわずかな時間を利用して行えるのが「ディップス」と呼ばれるトレーニングです。胸、上腕三頭筋、一部肩の筋肉に刺激が入ります。筆者の愛車BRZの場合、左手はコンソールボックス、右手はドアのアームレストに置いて腰を浮かせ、ツラくなるまでキープ。ミニバンやSUVなど、頭上高に余裕のあるクルマがやりやすいです。
「ロングドライブでは腰痛がツラい」、という悩みを抱えるドライバーに試してほしいのが、体幹強化系の「アイソメトリック」トレーニングです。停車中、リクライニングを寝かせた状態で、お尻以外をすべて浮かせる姿勢を限界が来るまでキープ。手は前で組むか、頭の後ろにまわすなどして、より腰まわりがラクになる姿勢を探ってみましょう。
腹筋や背筋、太ももあたりがピリピリしますが、全身の血行促進に大変効果的で、意外と腰まわりがスッキリします。サービスエリアでのトイレ休憩時など、停車するたびに行えば疲労軽減効果も高いのでオススメです。
■車内に小道具を持ち込めば幅が広がる!
次はちょっとした小道具を使ってトレーニングの幅を広げてみましょう。1L以上のペットボトルがあればダンベルの代わりになり、脇を締めて肘を固定したまま肘を曲げる「アームカール」など腕のトレーニングができます。
筆者は以前、自宅で使っていた5kgのダンベルを2本愛車に持ち込み、停車中にトレーニングしようと試みましたが、使い勝手が悪すぎてダメでした。5kg程度でも車内で使うにはかなり重く、愛車の内装を痛めたり、怪我をするリスクが高まります。その点、ペットボトルなら出先で簡単に入手できますし、空のペットボトルをトランクなどに積んでおけば、使うときだけ水道水を入れて重くすればよいので、無駄な重量物になることもありません。
男性でも2Lのペットボトルなら意外と効かせられるので、オススメです。1Lだとちょっと軽すぎますが、動作を速くする、または極端に遅くするなどして負荷を増やす工夫をすれば、身体が軽く温まる程度には効かせられます。
応用編として、停車中、シートのリクライニングを倒せば愛車のシートが「インクラインベンチ」の代わりとなります。シートを倒してアームカールを行うと可動域が広くなり、ストレッチ効果もあって上腕二頭筋への刺激が入りやすくなります。
経験上、ダンベルを車内に持ち込むのはお勧めしませんが、もっと小さくて軽い器具なら車内でも普通に使えるモノがあります。それは、昔からある握力トレーニングの定番アイテム「ハンドグリップ」です。運転中、手のひらに刺激を入れると覚醒効果が高く、普通にグーとパーを交互に繰り返すだけでもいいのですが、ハンドグリップを使えば圧倒的に効果は高まります。
車内では、渾身の力で握らないと握れない硬さのモノは使わず、0.5秒程度で握り切りれるような、わりと柔らかめのハンドグリップで、速く、回数を多めにこなすイメージで行うのが良いでしょう。鍛えるというより、神経系のリフレッシュ狙いという感じです。
愛車に持ち込める筋トレグッズは「ブルワーカー」もオススメです。40~50代以降の中年には昔懐かしの(?)筋トレグッズですが、今もなお健在のロングセラー商品。若干かさばりますが重くはないので車内に携帯しやすく、座った状態でもできる種目は結構ありますし、サービスエリアや出張先のビジネスホテルの部屋などでも使いやすいので、オススメです。
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