■候補1|先代メルセデスベンツ Cクラス ステーションワゴン
【価格などのイメージ】
2014年式C200 ステーションワゴン アバンギャルド:車両価格220万円/走行2.6万km/レーダーセーフティパッケージ付き
「ビーエム」の神通力ももちろん強いわけだが、素人さん相手にはやはり「ベンツ」という3文字およびエンブレム(スリーポインテッドスター)のほうが、より神通力を発揮しやすい。
「ベンツだったら何でもいい」という極端な見方もできなくはないが、AクラスやBクラスではサイズ感の面で神通力が劣ることになり、Eクラス以上のモデルを200万円台の予算で狙うと必然的に年式が古くなってしまうため、これも破壊力が減じることになる。
それゆえここでの最適解は「先代のCクラス」であり、なおかつ、セダンではなく”余暇を存分に楽しんでる感”をアピールできる「先代Cクラス ステーションワゴン」こそが100点満点の解答となる。
先々代までのCクラスは、Eクラス以上と比べると多くの点で”差”を感じさせたが、先代W205(ワゴンはS205)からは「……Eクラスに近いかも?」と思わせるビジュアルおよびボリューム感ならびに諸性能となった。
そのため、前期型で十分なので、とにかく小綺麗な内外装をキープしている先代Cクラス ステーションワゴンの中古車を購入すれば、近所の人は「山田さんは確か地銀にお勤めだったはずだけど、外資系投資銀行にでも転職したのかしら?」などと勘違いしてくれるだろう。
■候補2|先代BMW 3シリーズ ツーリング
【価格などのイメージ】
2013年式320dツーリング ラグジュアリー:車両価格200万円/走行4.2万km/アダプティブクルーズコントロール付き
効果の面では先ほどの先代Cクラスワゴンとほぼ同じである。すなわち、誰もが知る問答無用の超メジャーブランドであり、「余暇を楽しんでる感」があるステーションワゴンであり、さらにはあまり古くない年式であるということだ。
加えて言えば、先代であっても現行G20(ステーションワゴンはG21)とカタチがきわめて似ているため、カーマニアは別として「ご近所の普通の人」からすると、「山田さんちのクルマが真新しいビーエムのワゴンに変わった! ……もしかしてGAFAのどこかの中途入社試験、受かったのかな?」という感じにしか見えないだろう。
※編集部注:GAFAとはグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)の4社の総称になります。
■候補3|先代アウディ A4オールロードクワトロ
【価格などのイメージ】
2014年式A4オールロードクワトロ 2.0 TFSI:車両価格220万円/走行3.5万km/後期型/バーチャルコックピット
先代のアウディA4をSUV風に仕立てたクロスオーバーモデル。先に申し上げた「問答無用の超メジャーブランド=ベンツ、ビーエム、ポルシェ」からは外れてしまうアウディだが、悪路走行向けに若干上げられた車高と樹脂製オーバーフェンダー、アンダーガードなどによって、絶妙な「冒険者感」が醸し出されているのだ。
庶民というのは生活するだけで手一杯なため、「冒険」などなかなかできるものではない。だがA4オールロードクワトロからは「富裕な者だけが挑戦を許される行為=冒険」の香りが、アウディ本来の都会派イメージとともに濃厚に漂っている。これはまさに「丸の内の外資系金融企業で年収4000万円ぐらいを稼ぎながら、週末はトライアスロンに打ち込んでいる人種」の香りだ。
そんな先代アウディ A4オールロードクワトロのキレイめな中古車を自宅駐車場に置いておけば、近所の人がさまざまな勘違いをしてくれることはほぼ間違いない。
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