■「アルファード帝国」の今後
“ポストアルファード”としての注目株ともいえるスターリアが登場したものの、“アルファード帝国”はまだ盤石のようにも見えるのだが……。
「正規輸入販売は別として、日本からの個人輸入販売ですが、“儲かる”とのことで参入業者が増えすぎた印象があり、以前より“うま味(儲からなくなってきている)”がなくなってきておりますし、ニーズも以前ほどではないように見受けられます」(事情通B氏)。
アルファード人気は、その高いリセールバリューが支えている。そのリセールバリューは日本での中古車人気の高さが支えるだけでなく、海外への積極的な中古車の個人輸出も支えている。
日本でのアルファードの売れ筋価格帯が支払総額ベースで600万円といわれているなか、正規輸入販売でも約1500万円(車両価格)からタイでは販売されているのだが、日本から輸出された完成車のタイでの輸入関税が高く、ほか諸税も課税されているので、日本での販売価格との差額がそのまま利益アップとなっているわけでもない。
※自国産業保護などの観点から/輸入先やBEV[バッテリー電気自動車]なのか否かなどによって、関税がかからないなど状況が異なったりするが、欧州からの輸入も関税は高い。
それでもタイの富裕層がこぞって1000万円を軽く超えるアルファード(ヴェルファイアも)を欲しがるなか、「うま味が大きい」として日本からの中古アルファード系(ほとんど新車が目立つ)の輸出が盛んに行われ、バンコクでも個人輸入販売が盛んに行われ、それが日本での“アルファードバブル”を支える一助になっているといって過言ではないのである。
その海外での個人輸入販売の勢いに陰りが見え始めたということならば、いよいよ日本での“アルファードバブル”も崩壊リスクを覚悟する必要があるかもしれない。とはいっても、バンコクで聞いただけの話。これから、ほかの東南アジア各国をまわり事の真相を探っていきたい。
ただ、いままでよりは“アルファード転がし”を行っても、得られる利益は少なくなっていきそうな傾向なのは間違いないようだ。
“ミニバンは日本のお家芸”とはよく言われてきたが、どうも世界市場レベルではそうともいえない状況になりつつあるのは、今回タイで見聞きしたスターリアの様子を見ても確かなようである。
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