■ショールームでの営業が当たり前! 来店させて満足させる? 今のクルマ販売の姿
今や、自動車営業マンは、ショールームで契約を取るのが当たり前だ。顧客の家や会社へ行かないと契約がもらえないという、外訪ありきの営業マンは必要とされない時代である。一部では、法人営業に特化した部署を作り、そこだけは外訪活動を認めているということもあるが、これは特例的な営業スタイルだ。
飛び込み営業に関しては、現在ほとんど行われていないだろう。営業マンの基本は、ショールームでお客様を待っていることであり、既存客へ電話やメールでアプローチしながら、「来店」を促すことに尽きる。
さらに昨今は新型コロナの影響で、顧客と外で接触する機会が大幅に制限された。コロナ前は、車両点検時の納車引取程度は許されていたが、現在ではこうした外訪活動も禁止とする店が多い。
こうした動きは、大都市圏ほど顕著になり、政令指定都市のディーラーでは、営業マンが外訪営業をする姿をほとんど見なくなっている。それ以外の地域では、昔の名残がある場所も見るが、基本は顧客来店型が現在のスタンダードだ。
■ショールーム来店型の何が良い? これからの営業スタイルとは
営業の効率という面では、ショールーム来店型に勝るものはない。
来店してもらえば、見積もり作成や査定、そして試乗などが自由にできる。上司への相談もすぐに出来るし、エンジニアの意見が必要な時にも、その場で解決ができるだろう。営業活動の制約がなくなるため、「売り」の動きが効率的に行える。
また、営業マンがお店に常駐していることで、購入相談以外の顧客にも、売りの活動が出来るのだ。点検で待つ30分から1時間の間に、興味のあるクルマに乗ってもらったり、査定をして乗り換えの時期を提案したりする。
顧客も店舗に行けば営業マンと会えるし、試乗のお誘いなどは、担当営業に気にかけてもらえている感じがして、悪い気はしない。営業マンだけでなく、店舗スタッフ全員で顧客の名前を覚えて接遇することで、顧客満足度も飛躍的に高まる。
限られた接触機会で何をするのかが、現代の営業では重要になっている。点検や商談のアポイントを取り、自らの城でどのようにもてなすのかを、綿密に計画するのだ。
今後、オンライン商談などが導入されていき、顧客との直接の接触機会がさらに減ることが予想される。ディーラーは、ショールームでの「濃い時間」を過ごせるよう、さらなる営業スタイルの工夫をしていく必要があるだろう。
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