温度上昇するとスマホはどうなるのか?
スマホに限らずだが、電子機器の類いには動作可能(保証)温度が設定されている。メーカーのホームページなどにしっかりと記載されている機種もあるが、中には全く記載されていないケースもある。
一般的には「周囲温度0℃以上、40℃未満」と言われるが、これはあくまでも周囲の温度であり、前述したようにスマホ本体の発熱や車内における直射日光の影響により非常に厳しい環境であることは間違いない。
では実際、温度上昇するとスマホはどうなってしまうのか。昨今のスマホには温度上昇や湿度などの影響を受けた場合、安全回路が働くようになっているものが多い。
具体的にはまず「本体温度が上昇したので本体保護のために液晶画面をオフにします」といったいわゆる“警告”が出て、実際数分後以内には画面はオフになる(本体がスリープモードへ移行するものもある)。その後、本体温度などが下がればまた使えるようになることが多い。
さらに注意したいのが温度上昇による「リチウムイオンバッテリー」への影響だ。後述するが、スマホを長時間、炎天下に置いた結果、内蔵するリチウムイオンバッテリーが肥大化してしまい、あわや大惨事になるケースもある(本当に注意してほしい)。
また連続してスマホを車内で使っている場合、単純な温度上昇だけでなく、寒暖差による外気温変化も当然影響を受けやすい。湿度に関しても同様である。
そこで、今回、筆者所有のスマホを実際に約6時間、放置して一体どうなってしまうのか、をテストしてみた。
約6時間後、最悪の結末が・・・
テスト自体は事前に天気予報を見て、気温上昇が予想される日に行った。
午前11時前に開始。スマホ本体は常時点灯モード(照度は自動調整モード)でクレードルに設置。ナビアプリを起動後、車両も常時太陽光が当たる場所に固定した。特に用が無い以外、イグニッションはオフで外気導入もオフである。
今回のテストのためにBOSCH(ボッシュ)の放射温度計を購入した。プロの現場でも使われている商品で、特に反射率の異なるスマホのガラス面でも表面温度が測れるという優れものだ。
スタート時の車内温度は24.0℃だったが、その後、26.2℃まで上昇。その際にインパネ上の温度を測るとすでに30.9℃まで上昇していた。
余談だが、この時に車両周辺の路面温度を測定すると37.7℃だった。夏場だと60℃を超えることもあるので、その点ではまだ“過酷”というレベルではない。
1時間経過した段階でスマホのガラス面を測定すると31.0℃、その後
2時間→36.0℃、3時間→41.0℃と温度は上昇していく。
また4時間経過時では車内温度→31.9℃、インパネ表面温度→46.6℃
まで上昇していた(車内は汗をかくほど暑い。ゆえに水分補給を頻繁に行いながらテストを継続した)
その後、5時間経過時→48.3℃と確実にスマホガラス面の温度は上昇を続けていく。一体どうなるのだろうか・・・。
そして6時間経過時、ガラス面の表面温度は・・・。57.6℃!!まで上昇。これまで本体に一切触れないようにしてきたが、液晶の動きが少しおかしく感じる(照度は落ちたようだ)。
そしてテスト開始から6時間17分、冒頭に述べた“Caution(注意)”も出ないまま・・・スマホ沈黙!! ここでテストはまず終了である。
最終的にガラス面ではなく、本体背面の温度を測定したが、何と61.2℃まで上がっていた。当然のことながら本体はかなり熱く、素手では持ちたくない。
そして帰宅後、カバーからスマホを取り外してさらに驚いた。バッテリー肥大化して背面パネルが浮き上がっているではないか!
このスマホは購入時から約2年経っていたこともあり、経年変化は否めない。ゆえに引退(売却)を考えていたのだが、重要なテストに付き合ってくれてその役割を終えた。本当にお疲れ様・・・。
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