キャンピングカーのベース車両として人気が高いハイエースには、商用バンと乗用ワゴンがあります。しかし、キャンピングカーに架装されるのは、商用バンの方が多いです。でもなぜ乗用ワゴンではなく、商用バンの方が多いのでしょうか?
今回は、ハイエースの商用バンと乗用ワゴンの違いやメリット・デメリットを解説します。また、おススメのボディタイプについても紹介しているので、キャンピングカーのベース車両選びの参考にしてみてください。
文/齊藤優太
写真/AC、トヨタ、ベストカーweb編集部
■ハイエースの商用バンと乗用ワゴンの違い
ハイエースの商用バンと乗用ワゴンの違いは、税金や車検の期間および保安基準などです。まず、バンとワゴンのメリットやデメリットを解説します。
●ハイエースバンのメリットとデメリット
ハイエースバンのメリットは、ワゴンよりもラゲッジスペースが広く、座席数が最低限であることです。
貨物を運ぶことが主な目的のバンは、乗車設備(座席)の床面積よりも荷室(ラゲッジ)床面積の方が広くなければならないなど、細かな条件が定められています。そのため、ラゲッジスペースが広く、最低限の座席数となっています。
一方デメリットは、1年車検であること、車両総重量によって税金が決まる(貨物車登録の場合)こと、タイヤやホイールに条件があることなどです。
毎年車検やカスタマイズに制限があるものの、車中泊用品の積載や室内の快適装備などを架装するキャンピングカーには、ラゲッジスペースが広く、座席数が少ない商用バンの方が適しているでしょう。
●ハイエースワゴンのメリットとデメリット
ハイエースワゴンのメリットは、最大10人まで乗れる乗車人数の多さが挙げられます。人を乗せることが主な目的としていることから、乗車人数が多く、それぞれがしっかりと着座できることが特徴です。
一方ハイエースワゴンのデメリットは、エンジンがガソリンのみであることやボディバリエーションが少ないといったことが挙げられます。また、座席の数が多いため、キャンピングカー仕様にする際、座席を外す手間が多いこともデメリットです。
そのため、キャンピングカーのベース車両にハイエースワゴンが使われにくいといえるでしょう。
●税金・車検・高速料金などについて
ハイエースをベースにしたキャンピングカーには、1ナンバー、3ナンバー、4ナンバー、8ナンバーなど、さまざまなナンバー区分のモデルがあります。
キャンピングカーとしての条件を満たせば8ナンバー登録することができますが、条件を満たせなかった場合、1ナンバーや4ナンバーとなります。そこで気になるのが税金、車検、高速料金などの費用です。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
まず、キャンピングカーを含む特種用途自動車の8ナンバー。税金は、エンジン排気量や車両総重量によって決まります。ただし、普通車(3ナンバーや5ナンバーなど)よりも割安になることがほとんどです。
車検は、初回が2年、以降2年ごととなります。高速料金は、普通車の区分です。そのため、深夜割引や休日割引を受けることができます。
次に、ハイエースバンの標準ルーフが対象となる小型貨物自動車の4ナンバー。税金は、最大積載量や車両総重量に応じて決まりますが、乗用車登録より安くなる場合がほとんどです。車検は、初回が2年、以降1年ごとになります。高速料金は、普通車の区分です。
続いて、ハイエースバンのミドルルーフやハイルーフが対象となる普通貨物自動車の1ナンバー。税金は最大積載量や車両総重量に応じて決まるものの、乗用車登録より安くなるケースがほとんどです。
車検は、初回2年、以降1年ごとに受けなければなりません。高速料金は、中型車の区分になるため、3ナンバーの乗用車よりも割高です。1ナンバーの車両をベースにキャンピングカーを作る場合、条件を満たして8ナンバー登録にした方が高速料金が安くなり、車検期間も長くなります。
最後に、ハイエースワゴンが対象となる普通乗用自動車の3ナンバー。税金は、エンジン排気量や車両重量に応じて決まります。車検は、初回3年、以降2年ごとに受けなければなりません。高速料金は、普通車の区分となります。
ナンバー区分によって税金の算出方法、車検期間、高速料金が異なるため、ハイエースをベースにしてキャンピングカーを作るのであれば4ナンバーか8ナンバー登録にした方がよいでしょう。
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