■進路を変えても良いの? 白の実線や破線・黄色の実線や黄色の矢羽根型
一般道路を走行していると、白の実線や破線、黄色の実線などの路面標示、矢羽根型の表示を目にすることがあります。ペーパードライバー講習をしていると、「この線は進路変更をしていいのでしょうか?ダメなのでしょうか?」と質問をされることが多いです。
ここでは、どの線の部分で進路変更できるのかということについて解説します。実際の道路では、駐車車両の有無や工事など、さまざまな例外となる場面がありますが、まずは原則をしっかりとおさえておきましょう。
最初に、白の実線や破線についてです。白の実線や破線は、中央線や車線境界線(複数の通行帯がある場合に引かれている車線の境界線)として使われています。白の実線が中央線の場合、原則として線の右側にはみ出して通行することができません。
一方、白の破線が中央線の場合、右側にはみ出して追い越しすることができます。そして、白の実線・破線が車線境界線の場合は、いずれも進路変更が可能です。
次に黄色の実線と矢羽根型の表示について解説します。黄色の実線は、進路変更や右側にはみ出して追い越しすることができません。そして2021年に新設された表示があります。それは、黄色の実線の手前にある黄色の矢羽根型の表示です。
この黄色の矢羽根型の表示は、進路変更禁止区間の手前にある「進路変更禁止の注意喚起表示」で、法定外表示として新設されました。この進路変更注意喚起区間では、進路変更することができます。
ただし、注意喚起区間の先にある黄色の実線(進路変更禁止の規制区間)では、これまでと同様に進路を変更することができません。
■歩行者等が一歩でも横断歩道に踏み入れていたらアウト!
横断歩道は歩行者等が優先ですが、歩行者等が横断歩道を渡っていても、車やバイクが横断歩道を横切っていく様子をよく見ます。
ペーパードライバー講習をしていると、横断歩道を渡っている歩行者等までの距離が遠いことから、横断歩道を横切ろうとするドライバーが多いです。しかし、歩行者等が横断歩道を渡り始めているときや渡りたそうにしているときは、歩行者等を優先しなければなりません。
かつて筆者が目にしたのは、横断歩道に歩行者が足を踏み入れた瞬間に、車が横断歩道を横切り、白バイに取り締まられる様子を見たことがあります。
これは、横断歩道を渡っている歩行者や渡りたそうな歩行者がいた場合に横断歩道直前で停止できるような速度で進行しなければならないという「横断歩行者等妨害等」の違反で取り締まられた事例です。
歩行者等が横断歩道を渡ろうとしていたり、一歩でも踏み入れていたりしたら、歩行者等が優先となります。そのため、歩行者等が横断歩道付近にいるときは、速度を落とす準備や速度を落として通行しましょう。
ただし、横断歩道を渡りそうな歩行者等がいないことが明らかな場合は、そのままの速度で通行することができます。
■まとめ:交通法規は原則と例外を理解することが大切
今回は、近年増えてきた自転車専用通行帯(自転車レーン)、白と黄色の標示・法定外表示、横断歩道を通行するときの注意点を解説しました。間違えて理解してしまいそうなルールであり、筆者がペーパードライバー講習でよく聞かれる交通法規です。
交通法規に悩んだときは、まず原則を理解し、次にどのようなことが例外にあたるのか知ると、ルールを理解しやすいでしょう。
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コメント
コメントの使い方横断歩道に足を踏み入れていたら横断している歩行者だが、横断しようとしている歩行者でも停まらないと38条違反だよ。