欧州車に続いて、国産車もBEV(バッテリー電気自動車)のラインアップが充実してきた。日産と三菱から軽EVがラインアップされたことにより、電気自動車の購入はより現実味を帯びてきたように思える。
というのも、そもそもEVといえば高額なものを補助金でなんとかハードル下げている印象だったからだ。もちろんいまだに超高級電気自動車もあるが、選択肢は確実に増えている。
にも関わらず、EV全体の売り上げは低迷しているように見える。この原因を深掘りしてみた!
文/小林敦志、写真/ベストカー編集部
■日系メーカーEVが相次いで登場!
トヨタ bZ4X、スバル ソルテラ、日産アリア、日産サクラ、三菱eKクロスEVなど、ここ最近相次いで日系メーカーから新型BEV(バッテリー電気自動車)がデビューした。
内燃機関を搭載する新型車では、発売から1カ月ほど経った段階で受注が殺到しているといった内容のプレスリリースがメーカーから発信されることが多いのだが、前述したBEVのなかではサクラが発表から3週間で受注台数が1万1000台突破したというリリースが発信されたのみであった。
筆者は前述した新型BEVが発表ベース(一部未発売車種があった)で出そろったタイミングで各販売現場をまわったのだが、受注が大変好調とされる日産サクラを扱う日産系ディーラーでも、人気HEV(ハイブリッド車)のデビュー直後などに比べると、それに比べれば販売現場は静かな印象を受けた。
ある事情通は「サクラに対する反応は地域差が結構出ているようです。地方都市ではクルマの複数保有は当たり前ですが、複数保有する生活に余裕のある家庭の反応は高いみたいでよく売れているようです。都市部では車庫の都合もあり、1台ですべてをまかなおうとする使い方が目立つことのあり、逆に反応がいまひとつとの話も聞きます」とのこと。
これはアメリカでのテスラ車の売れ方によく似ている。テスラ車は内燃機関を搭載する大型高級SUVなどをファーストカーとして所有する富裕層の日常生活における“街乗り用”としてのニーズが高いと聞く。
ロサンゼルスとラスベガスの中間地点に専用充電施設があるのを見たことがあるので、テスラでロサンゼルスからラスベガスには不安もなく遊びに行くことはできるようだが、広大な国土をBEVにて完全自由に移動するのが難しいのが現状のようだ。
日本のサクラの例でも、ミニバンやSUVなど登録車をファーストカーとして所有しているからこそ、「サクラに乗ってみようかな」という購買行動が起きていると考えていいだろう。
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