見た目は日本車なのに何か違う・・・「あ、左ハンドル!」。
街中や運転中に対向車とすれ違った時、こんな経験はないだろうか。
クルマに興味がない人にとっては間違い探しレベルで識別が難しい反面、なぜかクルマ好きはめざとく気がつく。
そんな、さりげなくも奇妙な存在感を放つのが逆輸入車の魅力かもしれない。
バブル期に、市場で大人気のモデルの納車が待ちきれずに、お金に余裕があってちょっと変わった目立ち方を模索していた人に刺さったのが「逆輸入車」だ。
今回はそんな懐かしくもレアな逆輸入車をご紹介したい。
文/松村透
写真/レクサス、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ
※この情報は2022年7月31日現在のものです
■初代セルシオやNSXは納車2年待ちだった!?
世界規模での新型コロナウイルス感染拡大、ロシアとウクライナ紛争による部品供給の遅れ・・・といった複数の要因が重なり、新車の納期が延びている。
即納車はゼロではないけれど、数年前のように各販売店が抱える在庫車を選べるような状況ではない。
どうしても欲しいクルマ(特に新車)を手に入れたい場合、ひとまず「購入予定者リスト」に名を連ねておく。順番がまわってきたところで改めて購入の意思を確認して、気持ちが揺らいでいなければそのまま商談・・・という流れだ。
そして、無事契約となり、納車されるまでまたさらに数ヶ月を要する。人気車であれば納車まで1年待ちというケースも珍しくない。
よほどそのクルマに想い入れがない限り「納車まで1年も待たされる」という感覚が一般的ではないだろうか。
かつて、バブル期にも注文が殺到して納車まで長期間待たされたモデルも存在した。
なかでも初代セルシオやNSXは納車2年待ちといわれていた(その後、バブル崩壊により、キャンセルが相次いだ結果、一気に納期が短縮されたというのは皮肉な話だ)。
いずれも日本を代表する高級車が売れまくったあたりが時代を感じさせる。
■待ちきれない人はプレミア価格で逆輸入車を手に入れた
「なに!! 納車まであと2年!? そんなに待てるか!!」。バブル期にそう思った人はどうしたのか? 諦めて他のモデルで手を打つか、プレミア価格を承知で逆輸入車を購入したのだ。
見た目は日本車であっても、メーカー保証はないし、ディーラーでも面倒を診てもらえないことが多かった。しかも、ディーラーで新車を買うよりもあきらかに高価だ。
そのリスクがあってでも購入した人がいたのだ。多少(・・・といっても数百万円レベルだが)高くても左ハンドル仕様だし、さりげなく差別化ができる。
さらに、信号待ちで並んだとき「コッチは左ハンドル(逆輸入車)だぜ!」という、奇妙な優越感も味わえた。見栄が張れたというわけだ。
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