日産サクラと三菱eKクロスEVの魅力と補助金の壁 軽自動車×EVの方程式は成功か!?

日産・三菱販売店での反応は上々! 補助金の申請に間に合うか…?

eKクロスEVは、セカンドカーとして購入するユーザーが多い。そのため、ベースとなるeKクロスの売れ行きは、あまり下がっていないという
eKクロスEVは、セカンドカーとして購入するユーザーが多い。そのため、ベースとなるeKクロスの売れ行きは、あまり下がっていないという

 サクラやeKクロスEVは、どのようなユーザーが購入しているのか。日産の販売店では以下のように返答された。

「サクラのお客様は、さまざまだ。下取りに入る車種も、デイズやルークスのような軽自動車、先代ノートe-POWERを始めとするコンパクトカー、EVのリーフからの乗り替えもある。今まで1台だけ所有していたお客様が、軽自動車ならEVを使ってみたい、という理由でサクラをセカンドカーとして加えることも多い。このように幅広いお客様が購入するから、サクラが登場しても、デイズやルークスの売れ行きはあまり下がらない」。

 三菱の販売店にも尋ねた。「一部にアイミーブからの乗り替えもあるが、大半はセカンドカーとして、従来型のeKワゴンやeKカスタムを使っていたお客様が購入される。またアウトランダーなどのお客様が、セカンドカーとして、eKクロスEVを新たに購入されることもある」。

 販売店のコメントからも分かるとおり、サクラとeKクロスEVは、下取り車を発生させずにセカンドカーとして追加購入されることも多い。従ってガソリンエンジンを搭載したデイズやeKクロスの売れ行きには、あまり悪影響を与えない。

 メーカーの営業担当者からも「お客様が軽自動車のEVをひとつのジャンルとして認知されている」という話が聞かれた。ガソリンエンジンの軽自動車とは競争しにくいことを示している。

 つまり軽自動車のEVは、今後も堅調に販売される可能性が高いが、注意したい点もある。それは補助金の動向だ。前述のようにサクラで中級に位置するXの価格は239万9100円で、経済産業省による補助金は55万円だから、補助金が価格に占める割合は23%に達する。自治体からも補助金が別途交付される場合があり、例えば東京都は45万円だから、総額なら100万円に達する。この場合は車両価格の42%が交付される。

 今は多額の補助金を受け取れるから、軽自動車のEVは販売も好調だが、軽自動車は損得勘定をシビアに判断されるジャンルでもある。今後補助金が減額されると、売れ行きまで鈍るかもしれない。

 なおサクラの納期を販売店に尋ねると「2022年の8月上旬の契約で、納車されるのは2023年の2月頃」という。補助金は届け出(小型/普通車は登録)を行わないと請求できず、補助金を使い切るのは「2022年12月頃になりそう」という見方が濃厚だ。

 これからサクラを注文すると、今年度の補助金には間に合いそうもない。2023年度の補助金なら申請できるが、予算は現時点では決まっていないから、経済産業省、自治体ともに、補助金の交付額が減る可能性もある。

 いっぽう、eKクロスEVは「2022年の8月上旬の契約で、納車は12月頃になる。少数ではあるが、在庫車も用意され、1カ月以内に納車できる」という。  

 サクラの内外装は、デイズとは異なるEV独自のデザインだが、eKクロスEVは基本的にeKクロスと共通化した。その意味でeKクロスEVは人気が少し低く、納期も短い。短期間で納車できる在庫車もあるから、2022年度に補助金を受け取る可能性を高めたいユーザーは、eKクロスEVを狙う方法もあるだろう。

【画像ギャラリー】セカンドカーとして人気のサクラ&eKクロスEV ベース車との内外装の違いは?(28枚)画像ギャラリー

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