空いてるからゴボウ抜きOK? 知らないうちに違反? 登坂車線の正しい使い方

■実はやってはいけないこと!

 昨今問題となっているのが登坂車線が空いているからと言ってこれを使って追い越しをかけるわけだ。

 そもそも登坂車線は道路の左側に設置されている。道交法(第28条)では『車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という)の右側を通行しなければならない』と記載されている。

 つまり左側から追い越す行為自体がれっきとした「違反」になる(反則金9000円&加点2点)。

 さらに走行速度が高い高速道で追い越しのために上限60km/hの登坂車線を速度違反した場合(反則金9000円~。速度によっては罰金、つまり刑事処分になるケースあり)としてダブルで処分されるケースも発生するので絶対にやってはいけない。

■今後期待される“付加車線”って何だ

渋滞のボトルネックとなる箇所に設けられる「付加車線」というのもある。登坂車線との合流前に走行車線を走る車両が自ら追い抜くことで渋滞や合流時の事故を減らすのが目的(beeboys@Adobe Stock)

 登坂車線の基本的な構造はここまでだが、実際高速道路において登坂車線と本線を走っている車両の速度差による渋滞の問題も懸念されている。

 そもそも一度登坂車線に変更した車両を本線車両に戻すわけだから、登坂車線の終点(本線との合流)ではその速度差から交通量が瞬間とはいえ集中する。ゆえに渋滞が発生しているケースも多い。

 これ自体はインフラ整備の問題でもあるので一概に文句は言えないが、これを解決するのが「付加車線」と呼ばれるものだ。

 付加車線は正確には車線構造そのものではなく方式である。定義としては比較的速度に自由度がある車両が右側の追い越し車線を利用して追い抜く方式のこと。ここでは最高速度は80km/hに設定される。

 付加車線を使うことは従来まで登坂車線を走る車両との合流前に走行車線を走る車両が自ら追い抜くことで集中渋滞や合流時の事故を軽減が期待できる。

 実際NEXCO中日本の発表によれば中央道、東名道とも渋滞のボトルネックとなる箇所にすでに付加車線を設置。中央道上り小仏トンネル付近では14%渋滞量が減少したというデータもある。

 この方式は「右側付加車線・左側絞込方式」とも呼ばれ理にかなっていると思われるが、2021年7月に運用を開始した東名道「大和トンネル」付近の付加車線は左側に設置。

 車線増による交通量の増加には効果があるが、追い越しは禁止だし(実際リアルに警察に捕まっている車両を見たことがある)、本来の付加車線のような効果とは異なる。この辺はまだ検討の余地があるとも感じている。

■最近耳にする「ゆずり車線」って何だ?

 ゆずり車線、またはゆずりゾーンとも呼ばれるもので、構造的には登坂車線と同じだが、勾配のきつい道路ではなく、平坦な道路でも積載物の多い車両など速度差による渋滞は発生する。

 また昨今のあおり運転に代表されるような追従車両の問題も発生している。速度差の大きな、また追い越しが頻繁に起こり、事故につながるような道路で後続車に対し車線を譲れるようにしたのが「ゆずり車線」である。

 日々変化する交通量や渋滞、VICSなどのテレマティクスによる回避も重要だが、根本の道路の構造自体も進化することでスムーズな走行と事故低減に繋がっていくことが重要なのである。

【画像ギャラリー】走行車線に追越車線……登坂車線、付加車線、ゆずり車線!? 意外と知らない「車線」アラカルト(6枚)画像ギャラリー

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