空いてるからゴボウ抜きOK? 知らないうちに違反? 登坂車線の正しい使い方

空いてるからゴボウ抜きOK? 知らないうちに違反? 登坂車線の正しい使い方

 高速道路だけでなく一般道の上り区間で見かけることも多い「登坂車線」。そもそもこれって一体何のために設置させているのかご存じだろうか?

 また最近では本来の使われ方とは異なるルール違反も目に付くという。こういった違反車に対して罰則等はあるのだろうか?

 意外と語られていない登坂車線の世界を解説する。

文/高山正寛、写真/Adobe Stock(トップ画像=hallucion_7@Adobe Stock)

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■そもそも登坂車線って何?

積載量の多いトレーラーなどが坂を登る際は速度が低下する。そんな車を他の車と分離させて渋滞を防止するのが登坂車線の役割だ(komta@Adobe Stock)
積載量の多いトレーラーなどが坂を登る際は速度が低下する。そんな車を他の車と分離させて渋滞を防止するのが登坂車線の役割だ(komta@Adobe Stock)

 登坂車線は上り勾配のきつい道路において速度が低下した際、他の車両から分離させて通行させることを目的としている。

 イメージとしては急な坂道が続く場所で前方を走っている積載量の多いトレーラーなどは著しく速度が低下することを体験したドライバーも少なくないだろう。その後ろを走っていれば当然、後続車への渋滞も発生する。

 登坂車線は過去の走行量、走行車両の種類など各種データなどから前述した速度低下などが予測される場合に設置される。また新設される高速道路などでは予め予測される交通量から登坂車線などを含めた設計も行われる。

 登坂車線自体は道路法と呼ばれる法律の中のひとつ(道路構造令)で普通道路の縦断勾配が5%を超える車道、高速道路の場合は100km/h以上の設計速度において3%の超える場合、必要に応じて登坂車線を設けることとなっている。

 5%と言ってもピンとこないかもしれないが、100m移動するのに対して5mの高さを登るのだから実はかなりキツイ上り坂だ。トラックなどに限らずパワー不足の軽自動車などでも前述した状況に陥った場合、登坂車線への移動が全体の交通の流れをスムーズにする。

■速度制限はあるのか?

 最近、この登坂車線でルールを守らないケースが出てきている。それが登坂車線を使って追い越しをかけるという行為だ。

 登坂車線の目的は前述した通りだが、実は速度制限がある。一般道、高速道共制限速度は60km/hだ。ここで知っておきたいのは「高速道は最低速度が50km/hなのに、登坂車線を上限60km/hで走行するなんて速度調整ができない」という疑問だ。

 しかし登坂車線は高速道においても本線車道という扱いではないので、50km/h未満で走行しても問題は無い。但しそこに駐車することは緊急時以外はNGである(停止表示機材の設置が条件)。

次ページは : ■実はやってはいけないこと!

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