なんでオービスは存在を予告すんの!? 肖像権が理由らしいけど移動式オービスはどうなのよ

■オービスの価格は1000万円以上! 莫大な金をかけてでも設置するワケとは!?

 速度を測定したり写真を撮影したりするオービスは、決して安い機械ではない。まずオービスの販売価格はどれほどのものなのか。

 警察庁交通局交通企画課・交通指導課「速度違反自動取締装置について」によると、可搬式オービスが約1,000万円〜約2,000万円、半可搬式オービスが約2,000万円、固定式オービスが約3,000万円(工事費用を除く)となっている。

 また、「平成29年警察庁行政事業レビュー公開プロセス」では、固定式オービスの工事費用が600万円程度かかっていることが明らかとなるなど、いずれにしても、1,000万円以上の費用をかけて速度超過の取り締まりを強化しているということだ。

 では、なぜ多額の費用をかけてまで速度超過の取り締まりを強化しているのだろうか。それは、走行している速度と死亡事故につながる割合が関係しているといえる。

 神奈川県警察が公表している「交通事故のうち死亡事故になる割合(速度別)」によると、走行速度が30km/hを超えると死亡事故になる割合が増えることがわかる。

交通事故における走行速度と死亡事故の割合 ※神奈川県警察「交通事故のうち死亡事故になる割合(速度別)」より
交通事故における走行速度と死亡事故の割合 ※神奈川県警察「交通事故のうち死亡事故になる割合(速度別)」より

 上記の一覧のように、30km/hを超えると死亡事故の割合が1%を超える。また、高速道路など60km/h以上で走行しているときに事故を起こすと高い確率で死亡事故につながることがわかる。

 つまり、速い速度で走行しているときに交通事故を起こすと死亡事故になる可能性が高いことから、速度超過の取り締まりを強化しているのだ

 加えて、神奈川県警察のホームページには、「交通死亡事故の原因となった方の約6割が過去に速度違反で取締りを受けていました。法定・指定速度を守りましょう」と記載されている。速度超過は重大事故の原因のひとつであることに間違いはない。

 もちろん、速度超過だけが死亡事故の原因とは断言できない。ただ、データからいえることは、速度を抑えることで死亡事故になるリスクを低くできるということだ。

■重大事故撲滅なるか!? 今こそオービスの存在意義を考えよ

 交通事故は、物を壊したり金銭的な負担を強いられたりするだけでなく、人の命を奪うこともある。警察が多額の費用をかけてオービスを導入し、速度超過の取り締まりをするのは、尊い命が失われないようにするためだ。

 速度超過だけが死亡事故の原因ではないが、悲しい事故を減らす一助となるのが速度超過自動取締装置のオービスというワケ。

 ドライバーができることは、速度超過でオービスに引っかかることを恐れることではない。まず、速度が上がるほど死亡事故のリスクが高くなること、特に60km/h以上の高い速度で走行すると死亡事故につながる危険性が高くなるということを知ることだろう。

 オービスを使って取り締まりをしている箇所は、速度を出しやすい場所や見通しが良い場所だけでなく、事故が起こりやすい場所でも実施していることがある。オービスの事前予告を見つけたら、事故が発生しやすいエリアを走っていることを再認識し、自分が加害者にならないよう注意して運転することが重要だろう。

【画像ギャラリー】可搬式オービスはSNSで使用告知!? オービスは「捕まえたい」わけでなく事故を減らしたいのです!!(3枚)画像ギャラリー

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