座り方で腰の負担は1.5倍にも! ピキグキボキッ(終)となる前に 腰を痛めない&腰痛持ちの運転術

■腰痛を予防することが大切

 そこで、大切なのは予防です。

 ひとつの方法として、腰がストーンと丸まらないように、安全運転に支障がない範囲で硬めのクッションを骨盤から腰のあたりに置いて、筋肉の力をできるだけ使わない状態で骨盤を起立できるようにすることをお薦めします。

 腰の部分を支えるような座席になっているクルマでも、支えが弱く感じたり、自分の体に合わないと感じた時は、しっかりとしたクッションやタオルを挟むなどして、腰と骨盤を支える力を追加することも予防になります。

渋滞中はアクセル/ブレーキペダルの操作が増え、常に緊張状態になる。腰の負担も増すので注意(annacovic@AdobeStock)
渋滞中はアクセル/ブレーキペダルの操作が増え、常に緊張状態になる。腰の負担も増すので注意(annacovic@AdobeStock)

 運転時の姿勢で、ひとつ、見直してほしいことがあります。

 ハンドルに向かってまっすぐでしょうか? 身体を斜めにして運転するのも腰痛の原因になります。

 右ハンドルの場合、必要のないところでも常に腕と体を右にあるドアに寄りかかったり、アームレストに寄りかかって極端に背骨や筋肉を歪めて運転されている方がいます。

 このアンバランスな状態が腰痛の原因になることもよくあります。

 運転中、体を極端に捩(ね)じらないように気をつけましょう。

運転中、こんな姿勢をしてはいないだろうか? 腰痛の原因になっちゃうぞ!
運転中、こんな姿勢をしてはいないだろうか? 腰痛の原因になっちゃうぞ!

■腰痛を和らげるコツを知る

 最後に、腰の痛みでクルマの乗り降りが不安という方のために、少しでも痛みを減らせる工夫をお伝えします。

 クルマに向かって背中や腰を丸めて、頭から中腰で乗ると腰は痛くなりやすくなります。

 そこで、クルマのドアを開けて、まず、スキーを滑る時のような腰を突き出す状態で、そのままお尻から座席に座ります。クルマの正面とは垂直に乗る形となります。

 そして、骨盤に手のひらか、手の甲を当てて、骨盤が後ろに下がらないようにして正面を向きます。

 降りる時も、腰や背中を丸めた中腰スタイルで頭から出るのではなく、骨盤に手を当てて、最初は降りるドアのほうに身体を向けます。正面に対して真横になります。

 骨盤を手のひらか手の甲で支え、背中をできるだけ丸めないようにして、左右どちらかの足を、少し、引くようにしてから立ち上がり、降ります。

 クルマは走行中、ガタンという下からの突き上げるような振動があります。乗る前に痛みがなくても、もともと筋肉が疲れている状態の時、長時間の乗車や振動がさらに筋肉を疲労させてしまい痛みに結びつくことがよくあります。降りる時も注意が必要です。

 私たちは動物です。同じ姿勢でいると血流が悪くなります。

 クルマの場合、サービスエリアで降りて、腰や体を動かすなどして、関節や筋肉を動かして血流をよくすることも予防になります。

●山口 博さん(青山一丁目カイロプラクティック院・院長)…カイロプラクティック師、姿勢教育指導士。早稲田大学卒業後、社会人を経て昭和62年からカイロを始める。数多くのTVや雑誌、新聞にて姿勢の大切さを伝えている

【画像ギャラリー】事故防止にも一役!腰痛を防ぐ工夫、痛みの少ない乗り降りをチェック!(6枚)画像ギャラリー

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