■リーフを長く販売する日産の手法は?
不要になったグリルの代わりに、その部分全体をスモークがかったパネルでカバーしながら、内部に日本の伝統的な組子パターンを立体的な造形を組み込んで、次世代感を表現したのが日産だ。
クロスオーバーEVとして登場したアリアは、「スリーク」「シック」そして「シームレス」というキーワードを用い、シンプルでありながら力強く、かつモダンな表現で「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」をデザインに反映した。
さらに軽電気自動車のサクラでは、アリアのデザインテイストを継承し、次世代の日産らしさを感じさせるフロントフェイスと光るエンブレムによって、既存の軽自動車とは一線を画すスタイルに仕上げた。フロントまわりを含めた落ち着いた大人の雰囲気を感じさせるスタイルは、安価で手頃なクルマという、これまでの軽自動車のイメージを払拭している。
フロントグリルが機能性とデザイン性を両立させるパーツであることは間違いない。しかし、EVではフロントグリルが必ずしも必要ないというのは、現在市場で販売されている車両を見れば分かるとおり。
これからのフロントグリルは、エンジンルームを冷やすための冷却口という役割であったり、機能的に必要であるという固定観念からも解放され、新しい時代に即した、刺激的なエクステリアデザインの構築という点で大きな役割を担っていくことなる。
現時点では、既存のクルマと並んだときに「先進的だな」と感じさせる程度の変化に過ぎないが、将来的には機能的な要素をあえて隠しながら、よりアイコニックな要素として新しいデザインを打ち出し、いつしかそれが主流になっていくだろう。
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