■コインパーキングでは苦労することなく普通に駐車可能
見た目はかなりボリューム感のあるモデルY、実際の取り回しはどうかということで、コインパーキングに駐めてみることにしました。
デパートや公共施設の自走式立体駐車場に入れたことがある、とN君は言っていましたが、昭和に造られ、クネクネとした圧迫感のあるランプウェイを通り抜けて狭い駐車スロットに停めなければならないのは、なかなかのストレスだったそうです。
試してみたところ、一般的なコインパーキングでは枠からはみ出すことなく、普通に駐めることができました。2ドアクーペではないので、ドアパネルの長さもさほど大きくなく、隣のクルマに気を使いすぎることもありませんでした。
モデルXもそうですが、テスラのSUVのモデルは全高が比較的低くできており、モデルYでも全高1624mmですので、立体駐車場でも全高はあまり問題にならず、ミラーを折りたたんだ時の1921mmという全幅が問題になる可能性が高いと思われます。
ご購入を検討されている方は、念のため試乗時に実際に自分の使っている駐車場に駐めてみることをお勧めします。
■都会の集合住宅に住む人にとってはスーパーチャージャーが命綱
自宅マンションの地下駐車場への充電器の設置には、管理組合との交渉が必要で、なかなか居住者一人がEVを買うからといってマンション全体で議論する、というのも難しく、N君いわく充電に関しては現在都内に11カ所ある、テスラのスーパーチャージャー(SC)を利用しているそうです。
やはり集合住宅居住率の高さと、集合住宅での充電器設置の難しさが、日本でのEV普及の大きなハードルになっていることを改めて強く感じました。
EVに乗るような「意識高い系」の住人が増えれば、集合住宅の資産価値も高まるはずなので、先行投資して充電器を集合住宅の駐車場に設置してしまえばいいのに、という気もします。
概算になりますが、 340km走行時のデータを見ると、50kwh、2160円、街中8割になります。ガソリン車に換算した場合、ハイオクを185円とすると2160÷185=11.7リットル相当、 340km走行なのでリッター29キロ程度です。
取材時、テスラのSCで充電しましたが、80%充電まで30分ほどでした。テスラSCではない共用の充電器で充電するためには、充電ソケットの形状が違うためにオプションのCHAdeMOアダプターを購入する必要がありますが、テスラ純正のものだと5万1100円で、現在は品薄でテスラアプリでは販売されていないようです(最近値上がりしたという情報も)。
現在テスラのSCは、仙台以北は盛岡、函館、札幌の3カ所のみ。福岡以南は熊本のみ。ホテルやパーキングなどでのデストネーションチャージングもありますが、SCより長い充電時間が必要です。CHAdeMOアダプターを買わずに北海道や九州でテスラ車での長旅を楽しむためには、計画性が必要になりそうです。
■街中のカー用品店のピットサービスでもEVの軽作業はお願いできる
朝10時を過ぎたので、タイヤにネジが刺さっている件で、テスラのサービスセンターに電話して対応をお願いしました。すると、定休日を挟むこともあり、見ていただけるのが2日後になる、とのこと。
これから首都高湾岸線を走って大黒PAまで試乗予定だったのに、このままスローパンクチャーとなってしまうリスクもあり、弱りました。
不用意にネジを抜いてしまったら、一気にエアが抜けて走れなくなってしまう可能性もあるのでどうしようと悩み、ダメもとですぐ近くにある代官山の某有名カー用品店に電話してみました。
一般に、EVは床下にバッテリーが設置されているため、タイヤ交換などでジャッキアップする時に最も高価な部品であるバッテリーを破損してしまうリスクがあります。
そのためディーラー以外に修理をお願いするのはややためらいがありましたが、そこはさすがの有名カー用品チェーンの都心の店舗。テスラ車のジャッキアップも手慣れています、とのこと。
すぐに見ていただいて、ネジを抜いてもらったら実は長さが意外と短く、石鹸水を吹きかけても泡が出てきません。ネジはゴムの表面に刺さっていただけでエア抜けのリスクがないことがわかり、一同ほっと胸をなで下ろしました。
「タイヤの空気圧計では2.9barとなっていますが、テスラは2.6bar以下になると警告が出るので、少し高めの3.1barまで入れておきますね」、と親切に教えてくれ、「ただネジを抜いてエア入れただけだからお代はいりません」、とのこと。
不安を抱えたままテスラのサービスセンターの入庫を2日待たなければいけなかったかもしれないことを考えると、まさに神対応でした。
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