相変わらず好調のSUV。これは単なる流行ではなく、もはや自動車のスタンダードはSUVに完全に移ったといっていい。中でも人気なのがコンパクトなサイズのSUV。まだまだ昔ながらの狭い道も多い日本では、運転のしやすいコンパクトな自動車は重宝される。
コンパクトSUVの中でも特に人気が高いのがトヨタ ライズ。コロナ禍にあっても衰えない人気の秘密を渡辺陽一郎が解説。
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、DAIHATSU
■コンパクトSUVでトップクラスの人気のライズ
最近はSUVの売れゆきが好調だ。2010年頃のSUV比率は、新車として売られる小型/普通乗用車の10%少々だったが、今は30%を超えている。
SUVは厚みのあるフロントマスク、大径タイヤの装着などによって外観がカッコよく、ボディの上側はワゴンスタイルだから、車内も広くて荷物も積みやすい。SUVは外観のカッコよさと優れた実用性を両立させて人気を得た。
特に販売が好調なのは、ボディがコンパクトなSUVだ。日本には狭く曲がりくねった道も多く、運転のしやすさが重視される。
また、近年は衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備と運転支援機能が充実して、消費増税も行われたから、クルマの価格が15年ほど前の1.2~1.4倍に上昇した。
その一方、平均所得は1990年代の後半を下回るから、新車に乗り替える時にクルマのサイズを小さくするユーザーが増えた。コンパクトSUVもこの流れに沿って売れゆきを伸ばしている。
そして、コンパクトSUVで高い人気を得ている車種がライズだ。2022年度上半期(2022年4~9月)にはコロナ禍の影響を受けながら、1カ月平均で約6000台を登録した。
ヤリスクロスは約6500台、カローラクロスは約4000台だから、SUVの販売上位はすべてコンパクトな車種で占められる。そのなかでもライズは特に好調で、ヤリスクロスに続いてSUVの販売2位になった。
ちなみにライズの企画/開発/生産は、トヨタの完全子会社になるダイハツが担当する。従ってライズはダイハツ製のOEM車だ。
そしてライズと共通化されたダイハツブランドの姉妹車にはロッキーも用意され、この登録台数は、2022年度上半期の1カ月平均が約1700台であった。ライズに比べると大幅に少ないが、ダイハツが販売する小型/普通車では最も多い。
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