■ホンダ、三菱、マツダはどうか?
国内3大メーカーの残りのひとつ、ホンダでは、レジェンドの存在が有名だ。初代モデルは1985年にデビューし、国内ではクラウンやセドリック/グロリアに対抗しつつ、「アキュラ」ブランドからいきなり海外デビューも果たしている。2ドアモデルの存在や、スポーティ路線に走るなど、フラッグシップサルーンとしては異質な存在感も魅力だったが、2012年に生産終了に。
その後、2015年に復活した5代目モデルはハイテク路線となり、2021年には自動運転レベル3に適合したクルマとして注目を集めたが、2022年1月で販売終了となってしまった。結果、現在のホンダのフラッグシップサルーンはクラスを下げてアコードとなったのだが、そのアコードも同年9月で生産終了。ホンダのセダンモデルはシビックのみとなってしまった。
三菱のフラッグシップサルーンといえば、長らくデボネアが君臨してきた。他社のフラッグシップと比べてそれほど販売台数は伸びなかったが、強い存在感を持つモデルとしてカーマニアにその存在はよく知られている。その後、プラウディアとして生まれ変わったが、2代目モデルが日産フーガのOEM車となってしまい、2016年には生産終了に。以後、三菱はSUVに特化したメーカーへと変貌していく。
マツダでは、1960年代からルーチェがフラッグシップサルーンの座にあったが、1991年にセンティアが登場。未来感あふれる流面系のデザインは一部で好意的に受け止められたものの、同社の経営悪化時期と重なり、2代目モデルを最後に姿を消した。その後、マツダのフラッグシップサルーンは、クラスを下げつつ、ミレーニア、カペラ、アテンザ、マツダ6と変遷している。
近年はSUVがフラッグシップモデルとなることも多く、前述の三菱ではすでにアウトランダーPHEVがフラッグシップモデルとして捉えられている。SUVは、高級感を備えた押し出しの強いデザインやセダン並みの走行安定性や快適性を備えてきた。それなりの販売台数が望めることもあって、しばらく高級SUVのフラッグシップ化が進むことだろう。
だが、古きよき時代を知るクルマ好きがいるかぎり、すベてのフラッグシップサルーンがなくなることはないと期待したい。
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