サブスクでbZ4Xが38万5000円値下げ! トヨタのクルマは新車購入かサブスクか!?

サブスクでbZ4Xが38万5000円値下げ! トヨタのクルマは新車購入かサブスクか!?

 トヨタがリース専売車のEV、bZ4XをKINTOで個人向けに最大10年間の長期契約が可能なプランを設定している。ところが、KINTOでの申し込み金が従来までの77万円から半額となる38万5000円にまで値下げされた。トヨタ車にお得に乗るなら新車購入か、それともサブスクなのか?

文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部、KINTO

■新車購入とサブスク、割安なのはどっちか?

スバルのソルテラとの共同開発で誕生したトヨタのEV、bZ4X。リース専売車として2022年5月12日に登場した
スバルのソルテラとの共同開発で誕生したトヨタのEV、bZ4X。リース専売車として2022年5月12日に登場した

 鳴り物入りでスタートしたトヨタのサブスク、KINTOながら期待どおりの結果を出せず苦戦している。なぜスマホでは当たり前になっているサブスクがクルマではうまく行かないのか? 

 客観的に見れば簡単。割安感がないためだと思う。スマホの場合、買い取り金額よりサブスクのほうが基本的に安い。毎月の使用料金で利益を上げるキャリアのバックアップを受けているからだ。

 携帯端末の価格を10万円としよう。これをキャリアでは、例えばiPhoneならアップルから仕入れるのだけれど、当然ながら定価より安価。携帯端末で利益を上げなくていいのなら、アップルより安く提供可能。そいつを分割払いにするのだから、ユーザーからすれば買うより安いワケ。

 ところが、クルマの場合はなぜか定価をベースにしている。そして3年後の残価設定だって買い取り業者より低い。

 新車を値引きしてもらって購入し、3年後は買い取り業者に高く買い取ってもらえば、サブスクより圧倒的に3年間の支払い金額は安くつくのだった。そのうえ、KINTOでいえばタバコを吸ったら買い取りは下がり、ペットを乗せても買い取りは下がる。いろいろな制約を付けられてしまう。

 高いうえに制約を付けられたら誰だって二の足を踏むと思う。私が読者から相談されたら、迷うことなく通常の購入を薦める。

■bZ4Xの申し込み金が従来の半額に値下げ!

現行型ハリアー。ガソリンの2L車を35歳のドライバーがKINTOで5年契約するのと、新車購入するのとでは筆者の試算では新車購入のほうが安くなるという
現行型ハリアー。ガソリンの2L車を35歳のドライバーがKINTOで5年契約するのと、新車購入するのとでは筆者の試算では新車購入のほうが安くなるという

 KINTOでハリアーの2Lモデルを35歳のドライバーが契約し、5年間乗った時の1カ月あたりの費用は5万9730円になっている。購入するとなったらどうだろう。私の計算だと同じ金額のハリアーを購入し、上手に整備&任意保険に入って5年後に120万円で買い取り業者に出せば、1カ月あたりの費用は4万6800円と1万円以上安くなる。60回ローンで買ったとしたって安い。

 といったことをKINTOも認識し始めたのだろう。当初bZ4XをKINTOで契約する際、申し込み金を77万円に設定していた。すなわち毎月の支払い金額に72万円が上乗せされるため、4年目まで10万6700円となり、1カ月あたりの金額は実質的に11万8700円になってしまう。前出のハリアーの2倍! bZ4Xをハリアーの2倍の金額で乗りたいという人って”ほぼ”いないと思う。

 そこで申し込み金を半額の38万5000円にしてきた。KINTOとしちゃ大いに頑張ったつもりだろうが、それだって実質的な1カ月あたりの金額で11万円を超える。

 もっと言えば、申し込み金をゼロにしたってハリアーとの金額差を考えると魅力は薄い。会社などで電気自動車の導入が必要とされるケースを除き、普通の人ならbZ4XをKINTOで乗りたいと思わないだろう。

 これまたKINTOは学習したに違いない。新型クラウンクロスオーバーで「KINTOで乗るなら納期が早い!」という戦略を打ち出している。新型クラウンクロスオーバーや新型シエンタは発売と同時に納期1年以上になってしまった。

 KINTOは2カ月程度で手元に来るというアピールをした。急いで乗りたいという人もいるため、今までより反応がいいそうだ。上手な狙い目だと思う。ただ、少し不公平感あります。

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