日産の値上げ戦略がスゲー! 100万円アップのリーフを買う意味は果たしてあるのか!?

■SAKURAで充電ケーブルをオプションにしたことが発端か

日産の軽EV、SAKURAでは充電ケーブルがやはりオプション設定に。だが、三菱のeKクロスEVは標準装備となっている
日産の軽EV、SAKURAでは充電ケーブルがやはりオプション設定に。だが、三菱のeKクロスEVは標準装備となっている

 調べてみたら興味深いことがわかった。まず、充電ケーブルのオプション化だけれど、関係筋に聞くと「SAKURAでオプション設定にしたことと関係があります」という。実はSAKURA、標準装備のハズだったらしい。

 だからこそeKクロスEVは標準装備のまま残っている。なぜオプションになったかというと、上層部の強い指示だという。この場合の「上層部」は複数じゃないようだ。強い発言力を持つひとりの指示により、収益を上げるためオプションにしたという。そして指示した当人は大成功したと思っているようだ。確かに充電器がオプションでも納期は1年以上になるほど売れている。

 そして大半のユーザーが7万4800円もするオプションの充電器を買っている。実質的に7万4800円高い価格を付けたのと同じこと。リーフも同じことをすれば儲かると考えたことは想像に難くない(私は高価なオプションを選ぶなら3万円も出せば買える100Vと200Vの兼用充電器をすすめておく)。いろいろな意味で「正直なビジネス」より、お客が出すなら儲かるというコンセプトだ。

■納期が長くなったら値上げしても売れると考えた?

納期が長くなっているリーフ、リーフe+。その納期の長さから日産は価格アップに踏み切った?
納期が長くなっているリーフ、リーフe+。その納期の長さから日産は価格アップに踏み切った?

 リーフの値上げもまったく同じ根っ子だと思えばわかりやすいんじゃなかろうか。リーフも半導体不足で納期が長くなっていた。だったら少しくらい高くしたって売れるんじゃないか、と考えたに違いない。

 今まで自動車ビジネスはこういった「時価」のような値付けはしてこなかった。ライバルとの価格差や従来型の価格など考えつつも、生産コストを反映したものだったように思う。

 リーフの値上げ、自動車ビジネスの慣習じゃありません。「納期の長いクルマは人気あるから多少高くても売れるだろう」となれば、フェアレディZなんか1000万円でいいし、大半のトヨタ車が現在の価格に10万円上乗せしたって売れることだろう。

■日産よ、このままでいいのか!?

新型セレナ(写真はルキシオン)はライバルのノア/ヴォクシーよりも割高な価格設定となっている
新型セレナ(写真はルキシオン)はライバルのノア/ヴォクシーよりも割高な価格設定となっている

 でも、大半の自動車関係者は「それをやっちゃおしまいだよ!」と思っている。長い目で見たら信頼を失うこと間違いなし。

 SAKURAの充電ケーブルをオプションにした役員と、リーフの大幅値上げを指示した役員は同じと聞く。となれば人気がある日産車の値上げは続くんじゃなかろうか。

 すでにSAKURAを値上げし、納期が長いARIYAの価格見直しも確実かと。新型セレナはすでにノアより割高。エクストレイルの値上げだって充分ありうる。やがて正直な価格設定を続けるトヨタに大負けする日が来ると思う。

【画像ギャラリー】果たして100万円アップしたリーフを買う意味ってある? エクストレイルもセレナも割高に……?(32枚)画像ギャラリー

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