■マツダの技術は新たな収益の柱になり得るか
リチウムイオンバッテリーの価格が高騰し、テスラ以外のBEVは値上げを余儀なくされている現在、ナトリウムイオンバッテリーが完全実用化されるまでは、BEVは簡単に増産することなどできなくなった。そのため今後はハイブリッド車やプラグインハイブリッドが大きなウエイトを占めることになるだろう。
筆者は以前からシリーズハイブリッドの普及を予測してきたが、日産に続いてマツダも追従しているのだから、これからは発電専用エンジンが存在感を増していくことは間違いない。
往年のマツダファン、ロータリーファンからすれば、ロータリーエンジンによってタイヤを駆動するクルマの再来を期待するところだろう。
しかし、今回の発電専用ロータリーによって、ロータリーエンジン開発の灯火は続いていくことになりそうだが、バイオ燃料や合成燃料がよほど安く生産できるようにでもならない限り、それは極めて実現が難しそうだ。
しかしながら発電専用エンジンとして考えると、マツダの技術力は今後大きな武器になる可能性がある。前述のSPCCIやクリーンディーゼル、さらには気筒休止技術などにより、レシプロエンジンの開発能力は相当なものがある。
発電専用とすれば振動などの問題は解決しやすいから、ディーゼル3気筒やガソリン2気筒の発電専用エンジンの可能性も無いとは言い切れない。エンジン技術に関してはトヨタにも引けを取らないだけに、マツダの技術が他メーカーにも応用されるケースも出てきそうだ。
例えばトヨタGR86/スバルBRZではスバル製のエンジンにトヨタの燃料噴射技術を組み合わせたように、トヨタのダイナミックフォースエンジンにマツダの燃焼技術を盛り込むなどトヨタグループ内でのコラボのほか、他メーカーへのエンジンのOEM供給なども有り得る。
欧州でもEVへの一本化が無理筋であることが判明した今、躍起になってエンジン技術を開発している自動車メーカーも多い。
エンジニアの努力により生み出された技術だけに、自社製品にこだわりたい意向もあるだろうが、今やエンジン技術がビジネスになる時代だ。今後は自社の車両生産だけでなく、エンジン供給を収益の柱にする可能性も無くはない。
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