■フロントシートの前にあるナビやメーターが付いている部分
ここは「ダッシュボード」と呼ぶ。「ダッシュする板」ってなんだよと思うが、ダッシュには「撒く」という意味もあって、もともとは馬車の時代、馭者(馬車の操縦士)の足前に立てられた(馬が巻き上げる水汚れを仕切る)板のことを指した。それが自動車になるとせりあがってきて、計器類などを装着する部分に変化したというわけ。ちなみにインストルメントパネル(インパネ)も同じ意味だ。ダッシュボードのもともとの場所からいうと、運転席の足元の奥にある仕切り板のほうが近そうだが、車内とエンジンルームを分ける板は「バルクヘッド(隔壁)」と呼ぶ。
■運転席と助手席を隔てるひじ置きや小物入れがある部分
「センターコンソール」と呼ぶ。コンソールとは「操作卓」といった意味で、シフトレバーが配置されたためにこう呼ばれた。かつてはサイドブレーキも手で引き上げるタイプのものがここにあったが、電動式に取って代わられてセンターコンソールはすっきりした。ここにある小物入れはコンソールボックス、ひじ置きはセンターアームレストと呼ばれる。
■エアコンの吹き出し口
なんと「レジスター」と呼ぶのだ! レジスターは「登録記録」あるいは「記録器」といった意味だが、空調の風を調節するため壁の開口部にはめられた格子のこともこう呼ぶ。それが転じてカーエアコンにも使われるようになったというわけ。決してスーパーを思い出してはいけない。
■給油口をふさいでいるフタ
「フューエルリッド」という。フューエルは燃料、リッドはフタという意味。だからトランクのフタはトランクリッドと呼ぶ。まんまやんけ。フューエルリッド、日本車には室内からレバーなどで開くタイプが多いが、輸入車ではフタをワンプッシュして開けるものが多い。ガソリンスタンドでのひと手間を考えると、後者が楽だと考えるのはYouTuberのウナ丼さんと同じ(笑)。
■タイヤの文字が書いてある部分
「サイドウォール」と呼ぶ。日本語にすると「側壁」。これもまんまだな。サイドウォールにはいろいろ文字が書いてあるが、タイヤのサイズのほか製造された年や週も分かる。またクルマの車重を支える重要な部分なので、ここに切れ目などができてしまったタイヤは廃棄するしかないということも覚えておきたい。
■タイヤの地面と接している部分
タイヤの接地面を「トレッド」と呼ぶ。トレッドには排水や燃費を考慮した溝や切れ込みがあり、その規則的な模様は「トレッドパターン」という。またトレッドの両端は「ショルダー(肩)」ということも覚えておきたい。タイヤは走行中複雑に変形するため、このショルダー部分を「なで肩」に作りか「いかり肩」に作るかで走行特性にも違いが生まれるのだ。
さていかがだったろうか。部分の名前が分かってくるとクルマへの興味も湧いてくる。機会があれば身近なクルマをじっくり眺めてみてはどうだろうか。
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コメント
コメントの使い方レジスターは間違ってるけどね。
吹き出し口はルーバ。
レジスタは抵抗のことで、風量の切替をする部品のこと。ヒータレジスタと呼んだりする。
知っていても咄嗟に出てこない時がある単語だと思います。ここで改めてしっかり覚えられる良い記事ですね。