■防ぐにはこまめな水分摂取と体操やストレッチを! お酒やコーヒーはNG
エコノミークラス症候群に陥ってしまうことを防ぐには、血行不良を防ぐことが必要。そのため、時々軽い体操やストレッチを行ったり、こまめに水分を取ることなどで防ぐことができるという。また、ビールやお酒、コーヒー等は控え(利尿作用が高い)、ゆったりとした服装でベルトなどはきつく締めず、眠るときには足をあげるとよいそう。
また、時々ふくらはぎを揉んだり、座った状態で、足の指でグーやパーをしたり、つま先立ちをする、つま先を引き上げる、膝を両手で抱えて足の力を抜いて足首を回すなど、簡単な運動も効果的だという。
また、眠る際には、できるだけ寝返りがうてるよう、倒したシートの隙間へタオルや服を詰め、足元には荷物などを置いて高さを調節するなどして、なるべくフラットなベッドのようにするのがよいそう。体重を受け止める箇所が分散できれば、血流が一か所で止まらないようにすることができる。また、起きたら水分を取り、適度に歩くというのも、エコノミー症候群の予防になる。特に寒い季節だと、水分補給や歩くことを避けがちになるため、意識して動くように心がけたいところだ。
■仮説住宅でも? 万が一のときのため、忘れないようにすることが必要
前出の厚生労働省に資料によると、震災後2カ月目の検診で、仮設住宅へ移った被災者の多くに、血栓が確認されたという。
仮設住宅では、一人暮らしをしている高齢者が少なくなかったそうだが、震災前までは、家の前の畑で農作業をし、隣家が遠く、人目が気にならない生活をしてきたこれらの高齢者が、仮設住宅での生活によって、3歩でトイレに到着する、お隣と壁一枚、というストレスフルな生活を強いられたことにより、じっとして動かず、テレビが友達、という生活となってしまっていたそうだ。
そこで、仮設住宅の近くに土地を借りて畑を作ったり、保健師の巡回を増やして会話や相談の機会を増やしたり、さらには仮設住宅住民で町内会を作ってもらい、お茶のみ会や運動する機会を皆で行うようにしてもらったところ、新たに血栓が生じる高齢者はなくなっていったという。
筆者は幸運にも経験したことがないので想像しかできないが、人目がある避難所での生活の辛さは、相当なものだろう。少しでもプライベートな空間を確保できるクルマの中で過ごしたくなるのも、当然のことだと思う。
我々は、被災された方々の辛い経験から、特に車中泊をする際にはエコノミークラス症候群にならないよう気を付けなければならない、という大切な知見を得ることができた。同じ姿勢で長時間いることは危険だという認識をもち、万が一のときには、思い出して実践できるよう、心掛けたいと思う。
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