やっぱりワゴンがいいのよね! ワゴン最後の雄はレヴォーグかカローラか?

■走りを決定づける4WD性能

スバルのシンメトリカルAWDが高いハンドリング性能を実現する
スバルのシンメトリカルAWDが高いハンドリング性能を実現する

 走りの性能についてですが、やはりレヴォーグの走りの良さが光ります。全車4WDで、1.8LはアクティブトルクスプリットAWD、2.4LはVDT-AWDを採用しています。アクティブトルクスプリットAWDは基本トルク配分前60対後40から50対50まで可変する電子制御式(多板クラッチ式)の4WDシステムです。

 VDT-AWDは前後駆動配分を45対55としたセンターデフ式の4WDシステムです。

 厳密にいうとVDT-AWDのほうがやや曲がりやすく、アクティブトルクスプリットAWDのほうが安定志向ですが、限界近くまで攻めたときの話で、スポーティドライブレベルでは安定感、安心感があるのに素直に曲がってくれる自然な操縦感覚にほとんど差は感じられません。

 興味深いのは氷上で走らせた時もVDT-AWDのほうがいくらかノーズの動きに軽さが感じあられる程度で基本の乗り味に変わりがないことです。このあたりの造り込みの巧さに長く4WDを作ってきたスバルの懐の深さを感じます。

 カローラツーリングは1.8Lガソリン、1.2Lガソリンターボ、1.8Lハイブリッドがあり、ハイブリッドにはFFのほか後輪をモーターで駆動する4WDも用意されています。

 軽快・機敏な操縦性がカローラシリーズの基本的な素性で、よく曲がる印象があります。ツーリングはリヤセクションが重いぶん姉妹車のカローラスポーツより曲がりたがる傾向が抑えられており、うまい具合に落ち着きを感じさせる乗り味になっています。

 4WDは、昨年のマイナーチェンジでリヤモーター駆動の介入タイミングが若干変わったのか、後輪の駆動力が欲しい場面で従来よりも若干早いタイミングで駆動力がかかるようで、氷雪上でも無駄なホイールスピンが入りにくくなり、ぐっと安定感とトラクション性が増しました。

 操縦性はよく曲がるカローラの性格が良い意味で生かされていて、スイスイ気持ちよく曲がる4WDになっています。雪上だとグリップ限界近いところでちょっとだけノーズが内側を向きたがるような仕草を見せることがありますが、無視できるレベルです。

 ただスポーツ性という視点で見ると、常時駆動し、かつ前後の駆動輪がギヤでつながっているレヴォーグのほうがスポーツ性が高く走りの性能にこだわる人向きのセッティングになっていると思います。

 カローラツーリングは、軽快で小気味よいスポーティさを持っており、誰が乗っても軽快な走りが楽しめると言う点で間口の広いクルマに仕上がっていると思います。これはAWDも同様で、4WDの重さ、鈍さを感じさせないリヤモーター駆動ならではの軽快感があります。

 4WDの操縦性について言えば、レヴォーグが中上級者でもしっくりくる操縦性があり、カローラツーリングは初中級者が乗って楽しい操縦性になっていると言えると思います。

 2台の人気ツーリングワゴンを比べてみましたが、どちらが優れているということではなく、操縦性に差があるとしたらそれはターゲットユーザーの違いということでしょう。いずれも軽快でスポーティで走る楽しさを持ったワゴンに仕上がっていて、カローラツーリングのほうがより間口が広く、レヴォーグは奥行きがあるといった違いだと思います。

【画像ギャラリー】スバルレヴォーグとトヨタカローラツーリングの装備と快適性(23枚)画像ギャラリー

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