日本独自のカージャンルに「軽トラ」こと軽トラックがある。名称どおり軽自動車版のトラックである軽トラは、日本の各種産業を支える立役者として長年に渡って活躍してきた。
しかし、実用性最優先で発展してきた軽トラを“遊ぶためのクルマ”という観点で考えると、意外なほど多くの魅力を持っていることがわかる。
今回は、遊びグルマとしての軽トラにスポットを当て、その歴史や魅力、代表的なモデルなどを見ていくことにしたい。
残念ながら現在の日本国内はけして好景気とはいえない。そんないまだからこそ、車両価格が低めでランニングコストも抑えられる軽トラで遊び倒すのはいかがだろうか?
文/長谷川 敦、写真/スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、ホンダ、FavCars.com
軽トラの歴史はあのクルマから始まった
日本初の軽トラと呼べるモデルがダイハツのミゼットだ。1957年に販売が開始された初代ミゼットは、前1輪、後2輪という独特の構成を持った軽自動車であり、商用をメインに開発されたもの。
それ以前にもミゼット同様のオート3輪と呼ばれるクルマは存在していたが、軽自動車規格で製作されたのはミゼットが最初であり、ここから軽トラという呼称も浸透していった。
税制面でも有利だったミゼットは、オート3輪=ミゼットというイメージも出来上がってしまうほどのヒットモデルになり、改良を加えられながら1972年まで製造販売が行われた。
ミゼットのヒットを皮切りに軽トラの快進撃が始まり、多くのメーカーから4輪の軽トラが登場。軽トラは日本の日常風景に欠かせないものとなった。
そして1961年には現在の軽トラにつながるスバルのサンバーがデビュー。このクルマについては後ほど紹介する。
軽トラの魅力はどこにある?
今回は実用性をひとまず置いて遊びグルマとしての軽トラに注目しているが、やはり最大の魅力はキビキビと走ってくれることだろう。
重量物を運ぶことを想定している車体は剛性が高く、余計なモノがないため軽量で、さらにエンジンはパワフル。オマケにショートホイールベースでグイグイ曲がってくる操縦性を指して、軽トラを「農道のスポーツカー」と呼ぶ人もいる。
日本国内ではAT(オートマ)全盛の一般車に対し、まだまだMT(マニュアル)車が多いのも軽トラの魅力といえる。
もちろん、一般的なクルマに比べてお買い得な車両価格も見のがせない。そして燃費に優れて維持費も安いとくれば、遊びグルマにもうってつけ。
実際に軽トラを仕事ではなく日常用に利用しているユーザーも多く、そのほとんどが「運転していて楽しい」と感じている。
コメント
コメントの使い方トヨタの軽自動車は全部ダイハツ製だし、タウンエース/ライトエーストラックはタイのダイハツ製。ダイナ/トヨエーストラックは日野製。ハイラックスはタイのトヨタ製と、国内のトヨタ工場製トラックって絶滅してたんだよね。日野と三菱ふそうの経営統合で、三菱ふそう製のトヨタトラックが誕生する可能性あり。
末期のサンバーから現行サンバーに乗り換えたけど技術の進歩を感じたね