「使っちゃダメダメ!?」と言っても、「車検に通らないのでそのモノ自体使えない」や、「昔は使ってよかったけど、今はダメなモノ」、さらには「現在はもう存在しない」「その用語はほぼ死語で通じない」などその理由はさまざま。
そこで今回は、かつてはフツーに使っていたけれど、今はもう使わない・使えないクルマ用語について。
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/写真AC、Adobe Stock
ミッション(車)・ノークラ
その単語だけを考えると、MT車(マニュアルトランスミッション車)もAT車(オートマチックトランスミッション車)も変速機(ミッション)を持っているのでともに「ミッション車」ということになるのだが、かつてはMT車のことを「ミッション」もしくは「ミッション車」と呼んでいた。
これに対するAT車は「ノークラ」と呼ばれ、「クラッチがない」という意味ではなく、「クラッチペダルがない」という意味でノークラと呼んでいた。
じつは先日、故郷の広島県に帰ったとき、40代の従姉妹と自家用車について話をしていたら「ウチのダンナのクルマがミッションじゃけぇ、運転が難しいんよ。ウチはノークラにしてほしかったんじゃけど」と言った。
すでに死語と思っていた私は思わず「プッ」と吹き出してしまった。まだ現役だったか……。
スパイクタイヤ
スパイクタイヤとは、タイヤのトレッド面に金属製のスパイクを打ち込み、主に凍結路もしくは積雪路での走行性能向上を狙ったタイヤ。
現在積雪路での主流となっているスタッドレスタイヤは、このスパイク(=スタッド)のないタイヤとしてスタッドレス(スタッドがない)と呼ばれている。
かつては積雪・寒冷地の冬用タイヤの主流だったが、スパイクによって舗装路が削られ、粉じん公害の原因となっていた。
特に仙台市ではこの粉じんが街中を舞う「仙台砂漠」が社会問題となり、市民の多くが外でマスクを装着する事態に。そこで国は1990年に「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」を公布、1991年4月には禁止規定が施行された。
ただし、消防自動車や救急自動車など、政令で認められた車両は規定から除外されている。
スパイクタイヤ規制の指定地域は北海道、東北地方、北陸地方などの積雪地方に加え、山梨県や長野県他も指定されているが、「指定地域内の積雪路や凍結路では使用できる」など、スパイクタイヤが全面的に禁止されているわけではない。
しかし、環境保全や人々の健康を考え、スパイクタイヤではなくスタッドレスタイヤを使用すべきだ。
なお、「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」に違反すると10万円以下の罰金となる。
ちなみにスパイクタイヤで舗装路を走ると、スパイクが舗装路面で滑ったりと非常に危険。現在のスタッドレスタイヤは非常に進化しており、積雪路や凍結路、さらには乾燥した舗装路すべてを走る場合は最も優れたタイヤと言える。
よって、「凍結路では強い」と言われるスパイクタイヤであっても、あえて使う理由など見当たらないと言えるだろう。
コメント
コメントの使い方いやいや、スパイクで滑るとはよほどのスピードを出さないとなりませんよ!
この人、実際に乗っていた人なのかな?
レースみたいな事をしたらスタットレスも何もかも同じですから!