■オートエアコンの温度設定は25度がいい?
例えば設定温度を18度にすると、その温度までは冷房を続けることになるが、真夏の日なたではどんなに冷房を続けても18度まで室温が下がることはないから、冷房を強くかけ続けることになる。
一方、25度あたりに設定しておくと、室温が近づくまでは冷房を強くかけているが、設定温度に達すると風量を弱くするだけでなく、そこから室温が上昇も下降もしないように日射量なども合わせて吹き出す温度を調整する。
家庭用エアコンでは設定温度を下げるほど消費電力が上がるため、カーエアコンも設定温度が低いほうが燃費が悪くなると思っている人も多いが、実際は設定温度が低すぎても高すぎても燃費への影響は同程度だという。
また家庭用エアコンは設定温度に達すると運転を停止してしまうが、クルマのエアコンは微妙な温度で作動を続けるのだ。クルマのほうが建物より断熱性能が低く、温度変化しやすいことから、この制御は理に適っているが、効率は良くない。
冷房を効果的に使い、できる限り燃費を落としたくない場合はどうすればいいか。オートエアコンの快適さを得たいなら、25度前後の室温設定で風量は自動、これに限る。
風量を調整してくれることでエバポレーターが利用する冷媒の量も調整されるから、コンプレッサーによる駆動損失もそれなりに抑えられることにはなる。
しかし、クルマの冷房の温度調整はエキスパンションバルブで行なっているのではなく(これは冷え過ぎによりエバポレーターが凍り付いてしまうのを防ぐのが目的)、室温調整のために冷風の温度を調整するのは暖房であるヒーターを併用している。
メーカーが推奨する最も効率のいいオートエアコンの設定温度は何度なのか? 世界8カ国の開発拠点と78の生産拠点を有する「カルソニックカンセイ」の見解(2017年8月10日広報資料)では、日本車は「25度」、欧州車は「22度」が温度設定の中心のため、この温度を基準にすることをオススメするとのこと。
25度より28度のほうが冷房が弱いので燃費が良くなりそうなイメージはあるが、設定温度に近付くと送り出す風の温度を調整するようになるので、よほど陽射しが強い状態でなければ暖房も少しだけ使っているのだ。
住宅用のエアコンのように設定温度に到達したら停止するようなら節電効果は高いが、クルマの場合は送風を止めてしまうとすぐに温度が上下してしまうので、適温に調整しながら風を出し続けることで快適さを実現しているのである。
冷風を温めて調整せずに利用したほうが、冷房によるロスは減らせることになる。つまり冷房を使う際には温度設定は最低にして、室温の調整は風量を調整することにより行なうほうが、燃費は向上することになるのだ。
しかしこれを実践するには、信号待ちなどで体感温度によって風量を調整する必要がある。最低温度で最大風量のまま走っていれば、燃費はむしろ悪化する可能性もあるのだ。これを煩わしいと思うのであれば、オートエアコンに任せたほうがいいだろう。
コメント
コメントの使い方炎天下に車外でドアを2分間も開け閉めして、たったの7度で「下がった」とは言えないだろ。
実際にJAFのテストでドアの開閉は効果なしって結果出てんだろ?