日本の高級車として長い歴史を紡いできたクラウン。まもなくセダンが発売されるが、新生代クラウンはクロスオーバーにスポーツなどSUVモデルが主役となりつつある。でもやっぱり「クラウンならセダンだろ」って人も多いハズ。そこで中古で狙いならどの世代がいいのか!? ざっくり近年のクラウンを振り返ってみよう!!
文/奥津匡倫(Team G)、写真/トヨタ
■やっぱクラウンは6気筒よ!! 11代目なら直6もあったゾ
それまでのクラウンにあって、新しいクラウンにないものといえば、6気筒エンジンではないだろうか。
現行モデルの4気筒ハイブリッドは燃費もよく、排気量の大きい以前のモデルに性能面でも劣るところはまったくない。
だが、モーターアシストのない、6気筒エンジンの走行フィールは、先々代モデルまででしか味わえなかったもの。
クラウンはスムーズさや静粛性が重視される高級車なので、エンジンの魅力を積極的に楽しむようなキャラクターではなかった。
だが、それでも粛々と回る6気筒エンジンの味わいや回転上昇に応じて力強さが変化するエンジンは大きな魅力だ。
11代目までのJZ系直列6気筒、12代目以降のGR系V6とそれぞれ異なるフィールと味わいがあるが、この先も乗り続けていくなら、年式がより新しい分、V6搭載モデルの方がいいかも知れない。
■頑なに全幅1800mm守ってたのに……たった40mmアップもこの僅差がデカい!?
長らく、ほぼ国内線用モデルとして開発されてきたクラウンの象徴的な部分として、1800㎜に止められた全幅がある。
狭い道も多い日本の道路環境を考慮したものだが、ライバルたちがどんどん大型化するのを横目に、頑なに1800㎜を維持し続けてきた。
スタイルのことだけ言えば、もっと幅があればカッコよかったのにと思うこともあったが、実際その幅だからこそ乗りやすい場面もあるのも事実だ。
筆者が住むエリアは、クルマの侵入を拒むような狭い道が多いのだが、そんな環境でもクラウンは通れる。
軽自動車やコンパクトカーを選ぶ家庭が多い中、クラウンを選んでいる家があり、通れるのだろうかと気にしていると、ギリギリながら通れているのを目撃した。
そこで1800㎜にこだわった成果を実感したのだが、クラウンなら通れるという事実も選ぶ理由になるかもしれない。
とはいえ、現行モデルの幅は1840㎜でその差はたったの4㎝。旧モデルが通れる道なら通れそうなものだが、見た目から受ける心理的なものもあるようだ。
ダイナミックでボリューム感のある現行型のデザインは分かりやすくカッコいいが、大きくなったような印象も強くイコール通れないのである。
以前のセダンはスクエアなデザインで4隅の感覚が掴みやすかったことも“通れる”という評判につながっているようだ。
もちろん全幅1800㎜のクルマはクラウン以外にも多くあるが、高級車に乗りたい層にとっては重要な部分だ。
高級車は車体が大きいものが多く、それも魅力となっているが、上記のように居住地の事情などで選択肢が限られる人もいる。
クラウンの“通れる”という部分も現行が失った要素なのかもしれない。もっとも、以前のクラウンも5mに迫る全長があったから、コンパクトカー並みの使い勝手とはいかないかもしれないが。
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