逢魔が時を安全に過ごすための4つのポイント
では、薄暮時間帯で事故を起こさないようにするにはどうしたらいいのか? ここからは事故防止のために心がけたいポイントを紹介する。
●ヘッドライトは点灯!
薄暮時間帯にヘッドライトを点けても、ドライバーはその効果を体感しにくい。そのため、周囲が暗くなってきてもなかなかヘッドライトを点灯しない人も多い。
だが、これは大きな勘違いである。本人は見えているつもりでも、実際には視界が悪くなっている。このときにヘッドライトを点灯しておけば、もし横断者がいてもそれがわかる。
そしてヘッドライト点灯のもうひとつの大きな効果は、自車の存在を周囲に認知させやすいということ。
ヘッド&テールライトを点灯しておけば、遠くにいても歩行者や対向車、追走車に自車の位置や動きを知らせることができる。
これが無灯状態で走っていたら、歩行者にはいきなり目の前にクルマが現れたように見えてしまうのだ。もちろん周囲のクルマだってそれは同じ。
ドライバーは前方が見えていても周りはそうではない。このことを頭に入れて早めのヘッドライト点灯を心がけたい。
●ハイビームを効果的に使う
標準状態よりも遠くを照らすことのできるハイビーム。街路灯にない山道などで活躍してくれるハイビームは、もちろん通常の薄暮や夜間走行でも有効だ。
ハイビームにしておくと、ドライバーは前方にいる歩行者や自転車に気づきやすくなり、これが事故防止につながる。
ただし、ハイビームには難点もある。それは対向車のドライバーに眩しさを感じさせること。自転車を含む対抗車がいる場合や、自分のすぐ前を別のクルマが走っている場合はロービームに切り換える必要がある。
●スピードは控えめに!
これは薄暮時間帯に限らずすべての時間帯でいえることだが、まずはスピードを出しすぎないことが事故防止になる。
特に距離感と速度感がつかみにくくなっている薄暮時間帯は、スピードを抑えておけば万が一のときにもしっかりと止まれる。
薄暮時間帯は帰宅時間とも重なっていて、早く帰りたいがゆえについアクセルを踏んでしまうこともある。また、視認性が低下しているため、自分の感覚と実際の速度にズレがあることも多い。
日が傾いてきたら、スピードメーターをいつも以上にマメに確認して、自車の速度を正確に把握しておこう。
●道路の両脇や標識にも気を配る
歩行者とクルマの事故で多いのが、横断歩道のない場所を横断しようとした歩行者とクルマの接触だ。
昼間に比べて周囲が見えにくくなっている薄暮時間帯は、横断者の存在に気がつかないケースが多いが、横断者はクルマ側が自身の存在をわかっていると考えているため、事故が起きてしまうのだ。
もちろん、ドライバーは「横断歩道あり」など、道路脇の標識確認も怠らないようにしたい。
いつ横断者が現れても大丈夫という気持ちで運転することが安全運転につながる。
●歩行者が注意すること
最後は薄暮時間帯に歩行者側が気をつけたいことを紹介する。
ドライバーだってクルマを降りて公道を歩き出せば歩行者になり、クルマと接触すればケガをするのはこっちだ。だから自衛できることはやっておきたい。
まずは信号のない場所で極力横断しないこと。信号のない横断歩道にいる場合、クルマ側が止まるのは義務だが、薄暗い時間帯は歩行者に気がつかないケースも多い。
信号のない道路を横断する際には、左右からクルマが来ないことを十分確認してから動き出そう。また、距離感の狂いやすい薄暮時間帯には斜め横断をしないこと。
なるべく目立つ明るい色の服を選ぶのも有効だ。自分が路上にいることを積極的にアピールするのが自衛になる。
事故の多い黄昏時は、ドライバーは歩行者の立場になり、運転免許のある歩行者は、ドライバーがどのように前方を見ながら運転しているのかをイメージしてほしい。それがお互いの安全につながる。
秋分の日(2023年は9月23日)をすぎると薄暮になる時間帯もどんどん早まってくる。反対に春が近づくと今度は日没時間が遅くなり、これもまた「まだ明るい」という油断を起こしがち。
薄暮時間帯は事故が多いことを常に頭のどこかに置き、安全運転を心がけてほしい。
【画像ギャラリー】逢魔が時を乗り切るために知っておきたいこととは?(12枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方