東京モーターショーに抱く思い ビートとS660、ピンクのクラウン……【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

東京モーターショーに抱く思い ビートとS660、ピンクのクラウン……【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

 2014年11月に逝去した自動車評論家、徳大寺 有恒。ベストカーが今あるのも氏の活躍があってこそだが、ここでは2014年の本誌企画「俺と疾れ!!」をご紹介したい。

 東京モーターショーに抱く思いや、読者からの質問に答える徳さんの筆致には、おそらく普段抱かれているのとはまた違った「徳大寺有恒」の姿が見えてくるのではないだろうか。

(本稿は『ベストカー』2014年1月10日号に掲載したものを再編集したものです/著作権上の観点から質問いただいた方の文面は非掲載とし、それに合わせて適宜修正しています)

■東京モーターショーに出かけた

3代目MINIクーパー…3気筒1.5L直噴ターボを搭載した3代目は136ps/22.4kgmとかなりのハイパワーだ。全長は98mm大きくなり、3821mmとなり、全幅は1727mmと3ナンバーになった。クーパーSは4気筒2Lターボとなり、192ps/28.5kgmとさらにハイスペック
3代目MINIクーパー…3気筒1.5L直噴ターボを搭載した3代目は136ps/22.4kgmとかなりのハイパワーだ。全長は98mm大きくなり、3821mmとなり、全幅は1727mmと3ナンバーになった。クーパーSは4気筒2Lターボとなり、192ps/28.5kgmとさらにハイスペック

 東京モーターショー(編集部註:2013年11月22日 – 12月1日に開催された、第43回 東京モーターショーのこと)が開催中だ。

 生まれて初めて東京モーターショーに出かけたのは高校2年生、つまり17歳の時だった。大学生となり洋書屋の「本流書店」の店員となり毎回東京モーターショーに出店し、働いた。

 ここでお会いした方も多く、メルツェデスやBMW、ローバーやジャグァのオーナーとも親しくした。特にヴァンヂャケットの創始者である石津謙介氏の息子さんである石津祐介氏とは今も親しくつきあっている。

 さて今回の東京モーターショーは前回よりも華やかだった印象だ。VW、メルツェデス、BMW、ジャグァ=ランドローバーといった、輸入車ブースもたくさんの人だかりができていた。日野やいすゞ、三菱ふそうといったトラック・バスメーカーも元気に見えた。

 MINIのようにワールドプレミアといって世界初公開の場を東京モーターショーに選んだモデルが多いことは東京を重要なマーケットと認識している結果で、うれしいことだ。

 個々のクルマの印象は次回話すとするが、やはりGMやフォードといったアメリカのメーカーが出展していないのは寂しい。

 東京モーターショーはコストがかかりすぎ、効率的ではないらしいが、やはりアメリカ車が出展されていれば、もっと盛り上がるだろうにと思う。新型コルベットや、ダッジ・ヴァイパー、フォード・マスタングといったマッスルカーが、ショー会場にあればさぞ賑わったことだろう。

 今回、平日は20時まで開催していた。東京の有明という立地もあるが、仕事帰りに立ち寄れるというのはいい。ショーと名のつくものである以上、お客のことを第一に考えなければならない。ショーアップやサービスを怠ってはならない。クルマで行けば、帰りに美しい夜景を楽しむことができたはずだ。

 東京モーターショーがあると、名古屋モーターショー、大阪モーターショー、博多モーターショーと西に移っていく。東京モーターショーほど規模は大きくないが、趣向を凝らした見せ方をしているところもあり、出かけてみるといい。

次ページは : ■ビートとS660コンセプト

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