自動車購入の際に特にお世話になるのが営業マン。私たちを出迎え、案内説明し、商談という厳しい折衝を行う正に、自動車ディーラーの顔と言うべき存在だ。今回はそんな営業マンの知られざる裏側を皆さんにご紹介しよう。
文/佐々木 亘、写真/TOYOTA
■商談は仕事全体の1割以下!? 売る以外の仕事の方が大変だ!
ディーラーの花形とも言うべき営業マン。最近では「セールススタッフ」や「コンサルティングスタッフ」などと呼ぶことも多い。
新車・中古車の売りを任されているのだが、仕事の大半は販売以外のことに割かれる。
1日8時間の仕事時間のうち、商談にかかる時間は長くても2時間程度。
週末ともなれば1日に複数の商談を行うこともあるのだが、平日では1日1件確保できればいいところだ。商談をせずに、仕事を終える日も多い。
営業マンは、来る日も来る日もユーザーと商談をしている印象が強いと思うがそうではないのだ。
1週間に5日の勤務があり40時間ほど働くとしたら、そのうち実際に商談をしている時間は1割あればいい方だろう。
週に3台も4台もクルマが売れる世の中ではない。月に5台も成績が上がれば御の字なのだ。
営業マンには、契約を取る以上に本腰をいれて行わなければならない仕事がある。
■営業マン最大の仕事は「関係」を太く長く作り上げること
来店型営業の定着した昨今では、足と時間を使って御用聞きをするのではなく、点検や整備のタイミングで来店するお客様にお店の中で会い、コミュニケーションを取り続けなければならない。
朝から晩まで切れ目なく来店する、整備を目的とした担当顧客に合わせ、一日のスケージュールを作っていくのが基本なのだ。
30分から1時間弱の整備時間で、お客様の最近の様子を聞き、世間話をしながらもニーズを探る。
入庫してきたクルマの状況も見ながら、次のクルマの提案や、知人の紹介、家族の成長に合わせたクルマの準備などをお手伝いするのだ。
新規顧客を増やすよりも、今担当しているお客様に「またクルマを買ってもらう」ことが、近年の営業マンに求められている能力である。
担当顧客と太くて長い関係性を作り上げることに、1日の大半の時間を費やしていく。
コメント
コメントの使い方