究極のスペース効率化!? 子育て世代の味方すぎるんよ……乗車人数を極限まで極めた前席3人シートはなんで消えたん?!

究極のスペース効率化!? 子育て世代の味方すぎるんよ……乗車人数を極限まで極めた前席3人シートはなんで消えたん?!

 直近ではエディックスやティーノ、もっと遡ればセドグロバンなど挙げればキリがないほど存在したフロント3人掛けシート。輸入車にも多数存在しており、どれも力作だらけ!! 今こそミニバン市場に一石をもう一回投じようぜ!

※本稿は2024年2月のものです
文/ベストカーWeb木村剛大、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年3月26日号

■今では皆無!! 前席シートに3人で座る!?

前席3人掛けシートを採用していた日産 ティーノ
前席3人掛けシートを採用していた日産 ティーノ

 今も昔も乗用車のフロントは2人掛けシートがいわば常識!! だが、今から20年くらい前は3人掛けシートを採用するクルマが結構あった。

 かつてのセドリック/グロリアバンなどステーションワゴンベースのモデルにはいくつか存在したものの、ファミリーカーで3人掛けシートというモデルはかなり少なかったのだ。

 そんな時代にエディックスやティーノ、輸入車勢だとムルティプラなどなど、突如として増殖したのだ。

 エディックスとムルティプラはどちらも3人掛けシートのみの布陣で、窮屈に感じないように真ん中の椅子を少々後ろに設置するなど、使い勝手にもかなりこだわった逸品であった。

 しかも真ん中シートを使用しない際は巨大アームレストとしても使用可能。とくにエディックスは全長4.3m、今思えばコンパクトサイズなのに全幅は1795mmで6人が乗れる設計はお見事。かなりの力作であったのだ。

 一方のティーノはベンチシートのほかに一般的なタイプもラインナップしており、そこまで3人掛けシートに本気でなかった気も。しかもベンチシートタイプは先の2台とは異なり並列に3人が座るタイプとあって、かなり窮屈な仕上がりであったのも事実であった。

■電気自動車で復活させるのもアリ!?

4.3mという比較的コンパクトな全長でありながら、全幅1795mmを確保し6人が乗れるというホンダ エディックス
4.3mという比較的コンパクトな全長でありながら、全幅1795mmを確保し6人が乗れるというホンダ エディックス

 ともあれ2000年代前半に増殖したフロント3人掛けシートのモデルはこれらを最後にほぼ消滅ということに……。その後はアルファードやエルグランドなどの高級ミニバンに代表されるように後席の豪華さがキモとなり、これらの一風変わったモデルたちは市場から姿を消してしまったのだ。

 ちなみに現役エディックスユーザーに聞けば、この3人掛けシートは子育てや仲間と出かける際には大活躍中。似たパッケージングのクルマが他にないことから乗り換えも躊躇しているという。

 だからこそ終売から20年近くたった今でも愛用しているわけだが、こんな思い切ったクルマこそ、比較的設計が自由な電気自動車として復活させるのもアリではないだろうか。

 終売から20年近く経った今でも、このように話題に上るエディックスやティーノの思い切ったパッケージングはやっぱり見事。またこんな「えぇ……!?」と思っちゃうクルマを復活させて!!

■結構あったぞ! ジャパニーズ“ベンコラ”

ベンチシート+コラムシフトのトヨタ プロナード。いわゆる「ベンコラ」は日本車にも多数存在した
ベンチシート+コラムシフトのトヨタ プロナード。いわゆる「ベンコラ」は日本車にも多数存在した

 今思えばベンコラ(ベンチシート+コラムシフト)のクルマは無数にあった。古くはクラウンバンやセドグロバンだが、5ナンバーセダンのビスタ(ワゴンのアルデオには設定なし)やプロナードなどなど。

 シートのホールド性が少ないこと、あるいは安全性の問題から次第にフェードアウト。でも、乗ると結構楽しかったり……似たカタチを今復活させれば案外ウケるかも!?

次ページは : ■初代スパシオのシートが謎すぎっ

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