今やN-BOXやクラウンシリーズに至るまで、ほとんどのクルマで選べる2トーン仕様。でもかつてはボディ下部を塗分ける程度であったが、ルーフやボンネットなどなど塗分け部分が昔と超絶違うのだった。そこで今と昔の2トーンの歴史を一挙に。やっぱ歴史は巡るのね!!!!
文/奥津匡倫(Team Gori)、写真/トヨタ、日産、ダイハツ、BMW
■ルーフを中心としたボディ上面の塗り分けが今のトレンド
ライト周辺からボンネット、さらにルーフにかけてブラック塗装が施されるクラウンクロスオーバー。街中で見掛けるクロスオーバーはほぼ2トーンなので、これが標準なのかと思っていたら、一部の色を除き、単一色も選択可能。
そうかと思えば、後から登場したクラウンスポーツは、ボディ下部の一部が黒く塗り分けられたトラディショナルな2トーンスタイル。黒のルーフも選べるあたり、2トーン推しは間違いないようだ。
現行車種の中で2トーンカラーの設定が飛びぬけて多いのが軽自動車。多くのモデルに設定があり、定番の黒ルーフだけでなく、白との塗り分けも多い。
中でもムーヴキャンバスの白い2トーンはグレード名も「ストライプ」。クラウンに負けず劣らずの塗り分けっぷりだ。もっとも、精悍さよりも可愛らしさを意識したもので、両者の狙うところは大いに違っているはずだが、これもまた今時だ。
2トーンカラーのトレンドは超高級車の世界にも及んでいる。超高級車ともなると、カタログ色でなくても好きな色をオーダーできたりするものだが、「2トーン クルマ」で画像検索するとマイバッハの限定車やBMW i7が出てきたりと、超高級車でも上面中心の塗り分けが人気となっている。
軽自動車から超高級車まで広がる充実ぶりを見ると、トレンドであることは間違いなさそうだ。
■昔の2トーンは今よりもシンプルなスタイルだった
塗り分けられた2トーンカラーは昔からあった。一世を風靡したAE86パンダトレノはもちろん、オジサン世代には懐かしいDR30スカイラインやS130Z、バブル期に大人気だった20ソアラ、ゼロクラウン以前のクラウンなどなど。
記憶にあるそれらはどれも2トーンカラーだったはずだ。どの車種でも単一色が選べたが、やはり人気が高いのは2トーンだったのだろう。
思い起こせばキリがないほど、2トーンカラーの車種は昔から国内外に多く存在していて、数でいえば昔の方が多かったと思えるほど。
昔も今も、黒い差し色が入る2トーンは車体全体が引き締まって見える効果は変わらないが、今ほどタイヤが大きくなく、ホイールアーチの隙間も大きく車高が高く見えていた昔のクルマは、ボディ下部を濃い色で塗り分ける引き締め効果は高かったのだろう。
■上面塗り分け系はいつから存在した?
昔から人気だった2トーンカラーだが、最近多く見る上面中心の塗り分けはほとんどおらず、マンハッタンカラーのS130Zくらいしか思い浮かばない。
マンハッタンカラーはそれなりに人気だったはずだが、同じような塗り分けが増えてきたのは最近になって。それも急速にその数を増やしたような印象だ。
流行りは巡る? はたまた、一部のスポーツモデルに採用されたカーボン製のボンネットやルーフなどを見掛ける機会が増え、部分的に黒の差し色が入るカラーリングを好む人が増えたから!?
ブレイクの明確な理由は定かではないが、それがこの先、どのように変化していくのか。この先の変遷も楽しみだ。
【画像ギャラリー】あの名車は上下塗り分けの2トーンだった……新旧2トーン車大集合(6枚)画像ギャラリー
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