昭和30年代のクルマたち、首都高の地下化、バッテリーカーの限界に思うこと……【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

■自動車税はどうすべき?

(政権が自民党へと移った当時のタイミングで、「徳大寺さんがもし税制調査会の会長だとしたら、自動車の税金はどうあるべきだとお考えでしょうか?」という質問に答えて)

*   *   *

 確かに、いかにも自民党ぽいですね。

 国会でもいろいろ論議されるでしょうが、自動車関連の税は地方税が多いのでなかなかやめられないのでしょう。地方の税収が減ってしまいますからね。

 自動車から税金を取り、重要な財源としたのは田中角栄氏ですね。やはり彼の先見の明は感心しますが、以来国会では金が必要になると自動車をめがけるということが常識となりました。

 自動車は“ぜいたく”だ。この考え方がいまだに変わらないのは残念だと思います。もちろん、クルマは“楽しみ”という考え方はすぐさま否定されるでしょう。クルマは実用的であると同時に遊びの道具だということをいつになったらわかってもらえるのでしょう?

 当然クルマの税金はもっと安くてしかるべきだと思います。

■シビックディーゼル

(欧州で発売されるというシビックの1.6Lディーゼルを日本にも導入すべきでは?という声に答えて)

*   *   *

 おっしゃるようにヨーロッパで販売しているディーゼルモデルを日本でも乗りたいという人は多いでしょう。排ガスのルールが日本と欧州とでは違うのでなかなか難しいのですが。日本の規制をクリアするならば、ぜひ販売してほしいと思います。

 お便りにあるようにホンダから最近受ける印象に革新性はありませんね。むしろ私の最近のホンダに対するイメージは、古くて頭の固いメーカーというものです。

 技術的にもかつてリードしていた時の印象は感じません。きっと首脳陣も変わりホンダイズムを語り、使える人が少なくなったのでしょう。

 私がホンダに伝えるとすれば、自動車メーカーというものは「人気商売」なんだということです。

シビック i-DTEC。「i-DTEC」と呼ばれる1.6Lターボディーゼルを搭載する新型シビックは最高出力120ps、最大トルク30.6kgmを発生。6MTにより最高速は200km/hまで伸びる
シビック i-DTEC。「i-DTEC」と呼ばれる1.6Lターボディーゼルを搭載する新型シビックは最高出力120ps、最大トルク30.6kgmを発生。6MTにより最高速は200km/hまで伸びる

■首都高の地下化

 (この当時議論されていた、首都高の地下化についての考えを聞かれて)

*   *   *

 地下になっている部分はありますね。中央環状線の渋谷から池袋などがそうですね。すべてが地下になれば東京はすばらしい町に生まれ変わると思いますが、それには莫大な予算(6兆円ともいわれます)が必要でしょう。

 しかし、東京はそれをやらないとどうしようもないので、今後数年でいくらか地下になるでしょう。お金はかかるでしょうが、首都ですからそれが多くの人にとってリーズナブルならばしょうがないでしょう。きっと東京はここ数年で驚くような変化をとげるでしょう。

■リーフの値下げ

(当時の日産リーフの値下げの話題に絡めた、「リーフはなぜ売れないのですか?」という質問に答えて)

*   *   *

 私はバッテリーカーには限界があると思います。やはりバッテリーカーは近距離にかぎって使うものだと思うからです。

 バッテリーカーの普及はもっとインフラの発展が必要だと思います。それまでは私もバッテリーカーに興味を持たないでしょう。

 バッテリーカーの存在が10%、あるいは5%でもいいと思いますが、そうならないかぎりバッテリーカーへの乗り換えは考えないでしょう。それと一般に市販するメーカーが2つしかないというのも気になります。せめて、あと2つか3つこの分野に参入してほしいものです。それまでは、ハードの出来がどうだとか、こうだとかはないと思っています。

■徳大寺有恒の「俺と疾れ!」リバイバル特集

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…