昨年1月にビッグマイチェンを実施したマツダ2。ただ改名前のデミオ時代まで遡れば、登場して10年以上経過しており、いつフルモデルチェンジをしてもおかしくないタイミングである。一切ウワサがないものの、新型マツダ2はパワートレイン含めどんな仕上がりとなるのか!? もしやロータリーエンジン搭載か!?!?
文:吉川賢一/写真:MAZDA
■次期型ではヤリスハイブリッドのTHS-IIユニットが搭載されるのでは
2023年のマツダ2の登録台数は約2万台、月平均で1650台だった。2024年に入ってからも、月平均1500台を維持しており、10年目を目前とするコンパクトカーとしては素晴らしい売れ行き。次期型にも大いに期待がかかるモデルだ。
次期型マツダ2において、真っ先に気になるのは、やはりパワートレインだ。マツダが2023年11月に発表した中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針の今後の電動化戦略には、次期マツダ2が関係する具体的な言及はないが、エントリーマツダ車として台数を売るべきモデルであるマツダ2は、マツダが目指す内燃機関や電動化技術などのパワーユニットの展開を適材適所で行う「マルチソリューション」に早期に取り組む必要があり、次期型では何らかの電動化は避けられないはずだ。
できることならば、マツダ入魂のシングルロータリーエンジン発電のPHEVユニット小型簡素版の搭載を期待したいところだが、コストが厳しいコンパクトカーにそれは望めない。
マツダ2といえば、欧州市場では、トヨタ「ヤリス」のハイブリッドモデルが「マツダ2」として販売されているが、次期マツダ2では、おそらくこのヤリスハイブリッドの既存THS-IIユニットを譲り受け、「マツダ2ハイブリッド」として販売してくるのではないか、と筆者は考えている。
■新開発される横置きシングルロータリーエンジンでの小型ハイブリッドもあるか!??
また、2024年5月27日に行われた、トヨタ・スバル・マツダによる共同の技術説明会でマツダは、自社の特色であるロータリーエンジンと電動化ユニットの組み合わせを強調しており、カーボンニュートラル燃料を使用する横置きのシングルロータリーエンジンの開発を示唆した。電動化ユニットの組み合わせることが前提の新たなパワーユニットだ。
燃料の雑食性がある(通常の直列配置エンジンよりも様々なカーボンニュートラル燃料に対応させやすい)とされるロータリーエンジン。CO2排出をどう抑制できるかは気になるところだが、軽量化できるという観点では、コンパクトカーであるマツダ2にこそ欲しいユニット。
コスト面を考えればマツダ2よりも上級車に搭載となる可能性は高いが、マツダ2にも上級グレードとして用意される可能性は十分にあると思う。
まとめると、次期マツダ2では、前述したヤリスハイブリッドの既存THS-IIユニットを譲り受けたハイブリッドに加えて、(開発が間に合えば)上級グレードとして横置きシングルロータリーエンジンの純マツダ製の小型ハイブリッドを用意、そしてエントリーグレードには既存の1.5L直4ガソリンエンジンの改良版を搭載、というフレキシブルなパワトレ戦略で挑んでくるのではないか、というのが筆者の予想だ。
コメント
コメントの使い方