【アイデアはよかったが消えていった】日本車 珍技術 珍装備の道程

●1.6L、V6

三菱/エンジン
採用車/4代目ランサー

 1991年に登場した4代目ランサーには、当時量産車世界最小の1.6L、V6エンジンを搭載した「ランサー6」がラインナップされていた。その後ミラージュ(マジすか!?)にも搭載され、ミラージュ6と名付けられた。

 1991年はNSXが登場した年。バブルは崩壊していたが、それに気づいていた人はほとんどおらず、日本は好景気を謳歌していた。この年はマツダも1.8LのV6を発表しております。そういう時代だったということですね。

●MCA-JET

三菱/公害対策技術
採用車/初代ランサーなど

 三菱が開発した排ガス浄化システムのひとつで、当時の三菱車のリアには「MCA-JET」のエンブレムが誇らしげに貼られていた! つってもまぁ、それほどのありがたみはなかったですが。

 キモは、ジェットバルブと呼ばれる超小型の吸気バルブを燃焼室内に配置して、強力な乱流を起こすこと。これで希薄燃焼や大量EGRを実現したとのことです。乗ってもそういう実感はゼロでしたが、「JET」の語感はイケてました。なにしろジェット機みたいなので。

MCA-JETシステムは初代ランサー以外に、3代目ギャランΣ(シグマ)などに採用された
MCA-JETシステムは初代ランサー以外に、3代目ギャランΣ(シグマ)などに採用された

●3気筒、1.2L、3バルブ

スバル/エンジン
採用車/初代ジャスティ

 1980年代はツインカムとターボが憧れの的。バルブ数は多ければ多いほどエライのであった。そんななか、ジャスティは1.2L、3気筒エンジンで1気筒あたり3バルブの計9バルブという、ちょい変わり種を投入! 『火の玉ボーイ』というキャッチコピーとともに打ち出したのでありました!

 しかし当時のクルマ好きは、「やっぱ1気筒4バルブじゃねーとな」って感じで、ほぼスルー。その後は実用エンジンとして、しぶとく生き残ったのでありました。

●1L、3気筒ディーゼル

ダイハツ/エンジン
採用車/2代目シャレード

 近年、小排気量ディーゼルは世界的な排ガス規制の強化によって絶滅しつつありますが、1983年登場の2代目シャレードでは、なんと3気筒1000㏄のディーゼルターボが新規開発されたのですよ! スゲエ! これ、ひょっとして、量産ディーゼルの世界最小記録かも。

 当時のキャッチコピーは、「凄いビートだぜ、Rock’nディーゼル」。実際、3気筒ディーゼルの振動はハンパじゃなかったらしいっスけど、乗ったことないのでわかりません。乗ってみたいなぁ。

3気筒ガソリンエンジンをベースに作られたが、振動や騒音は大きかった。キャッチコピーの勢いに反し、性格は意外にも実用的だった
3気筒ガソリンエンジンをベースに作られたが、振動や騒音は大きかった。キャッチコピーの勢いに反し、性格は意外にも実用的だった

●スーパーストラットサス

トヨタ/サスペンション
採用車/6代目レビンなど

 ストラットでダブルウィシュボーンに対抗できる性能を! ということで、トヨタが1991年に開発し、AE101型レビン/トレノやセリカなどに搭載した。詳しくは省略するが、「凝ったメカのストラットサス」で、自然なフィールでとてもよく曲がった。

 ただ、当時ライバルだったホンダのシビックなどは4輪ダブルウィシュボーン。クルマ好きとしては「そっちのほうが断然エライ!」という感じで、ゴマメの歯ぎしりと捉えられてしまう向きもありました。かわいそうに。

●ニシボリックサスペンション

いすゞ/サスペンション
採用車/3代目ジェミニ

 1990年に登場した3代目ジェミニに搭載されたもので、勝手に4WS的な動きをして、コーナリングを助けるもの。当時は「限界域でオーバーステアになる」と酷評されたが、よくわかりませんでした。

 それより西堀さんが開発したから、「ニシボリックサス」というネーミングが非常にインパクト大で、それはそれはよく覚えております。それと、街の遊撃手だったジェミニが、この3代目で妙チクリンなデザインになって超ガックリでした。よってニシボリックサスペンションどころじゃありませんでした。

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