【アルファード、N-BOX…】軽からSUVまで安全性だけで選ぶ国産車たち

■コンパクトはインプレッサ、ミドルクラスはアテンザだ!!

【5ドアハッチバック:スバルインプレッサスポーツ】(推奨グレード:4WD2.0i-Lアイサイト/239万7600円)

5ドアハッチバックには、ホンダフィットやトヨタヴィッツのような5ナンバーサイズのコンパクトカーと、スバルインプレッサスポーツ、マツダアクセラスポーツのような3ナンバー車がある。

コンパクトカーの安全装備は、軽自動車と同等か、それ以下になってしまう。軽自動車の競争が激しく、安全装備もコンパクトカーを追い抜く水準に達したからだ。

しかし3ナンバーサイズの5ドアハッチバックであれば安全装備の充実した車種もねらえる。その筆頭がスバルインプレッサスポーツだ。

アイサイトバージョン3が全車に標準装着され、センサーには2個のカメラを使うことで、高度な制御を可能とした。

歩行者用のエアバッグを装備するなど安全性への取り組みが評価されているスバル。インプレッサもこの価格帯ではずば抜けた安全性だ
歩行者用のエアバッグを装備するなど安全性への取り組みが評価されているスバル。インプレッサもこの価格帯ではずば抜けた安全性だ

緊急自動ブレーキは、歩行者や自転車も検知する。オプションでは、2車線道路などで、後方の並走車両を検知して警報する機能も採用した。

推奨グレードとなる4WD2.0i-Lアイサイト(239万7600円)の場合、後方車両の検知などを可能にするアイサイトセイフティプラスは、LEDヘッドランプなどとセットにして14万5800円だから割安だ。

インプレッサスポーツはプラットフォームの基本設計が新しいこともあって衝突安全性が優れ、同乗者を守るサイド&カーテンエアバッグも標準装着される。

後方視界は先代型に比べて悪化したが、今の国産/輸入車の中では優れた部類に入る(つまり今のクルマは後方視界が全般的にかなり悪化した)。車両の周囲に潜む危険をいち早く発見できることもメリットだ。

【セダン:マツダアテンザセダン(推奨グレード:XDプロアクティブ/328万8600円)】

セダンはかつて乗用車の中心的な存在だったが、今は人気が衰えている。ミニバンや軽自動車の売れ行きが増えて、セダンが下がり始めた時に販売のテコ入れを行わず、海外向けの車種を国内にも投入したから一層下がってしまった。

設計の古い車種も多く、緊急自動ブレーキが歩行者を検知できなかったりする。安全装備も視野に入れて設計の新しい車種を選ぶと、選択肢が意外に少ない。この中から取り上げるのがマツダアテンザセダンだ。

安全装備は単眼カメラを使ったアドバンストスマートシティブレーキサポートが全車に標準装着され、歩行者も検知して緊急自動ブレーキを作動させる。

このシステムが対象物を検知できる上限速度は時速80kmだが、メーカーオプション(Lパッケージは標準装着)のスマートブレーキサポート&レーダークルーズコントロールも加えると、法定速度域までカバーすることが可能だ。

車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わるから、長距離移動時にはドライバーの疲労が軽減され、これも安全性の向上に結び付く。

2車線道路などで後方の並走車両を検知して警報したり、後退しながら車庫から出る時の事故を防ぐブラインドスポットモニタリング、サイド&カーテンエアバッグなども標準装着した。

グレードは、動力性能が高く燃費性能も優れたクリーンディーゼルターボを搭載するXDプロアクティブ(328万8600円)を推奨したい。

■SUV/ミニバンはエクストレイルとアル・ヴェルだ

【SUV:日産エクストレイル】(推奨グレード:4WD20X・3列シート/282万7440円)

日本と北米には古くからSUVが見られたが、欧州は消極的だった。日常的に高速走行の機会が多く、高重心のボディが敬遠されたからだ。

メルセデスベンツやBMWがSUVを積極的に手掛けるようになったのは、技術進歩で走行安定性の不安が解消された2000年以降になる。そのためにSUVは、今でも目新しさの残るカテゴリーとされている。

設計の比較的新しい車種も多く、安全装備は全般的に充実する。緊急自動ブレーキを備えていない車種は、SX4Sクロスやパジェロなど一部の車種に限られる。

ファミリーカーのニーズを踏まえると、日産エクストレイルを推奨したい。緊急自動ブレーキを作動できるインテリジェントエマージェンシーブレーキは、単眼カメラだけをセンサーに使う。

プロパイロットも装備されるエクストレイル。スポーティな走りも楽しめる「ニスモ・パフォーマンスパッケージ」もある
プロパイロットも装備されるエクストレイル。スポーティな走りも楽しめる「ニスモ・パフォーマンスパッケージ」もある

歩行者を検知できるが、作動速度の上限は歩行者が時速60km、車両に対しても時速80kmだ。高速道路の走行を考えると、車両に対しては時速100km以上に高めて欲しい。

それでも2車線道路などで後方の並走車両を検知して警報したり、後退しながら車庫から出る時の事故を防ぐ機能を20Xの3列シート車にオプション、20Xiには標準装着した(20Sと2列シートの20Xでは装着できないから注意したい)。

このオプションを装着すると、プロパイロットもセットで備わる。車間距離を自動制御しながら先行車に追従走行できるから、ドライバーのペダル操作が軽減され、ハンドル操作も支援される。

推奨グレードは、価格が割安で、なおかつ安全装備をオプション装着によって充実させられるる4WD20X・3列シートだ(282万7440円)。

【ミニバン:トヨタヴェルファイア&アルファード】(推奨グレード:2.5Z&2.5S/373万5720円)

ミニバンは家族を同乗させる機会の多いカテゴリーだから、安全装備に対するニーズが特に高いだろう。日本向けのカテゴリーだから緊急自動ブレーキを作動できる安全装備は全般的に充実する。

しかしトヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイア、エスティマが使うトヨタセーフティセンスCは、今のところ歩行者を検知できない。

日産エルグランドも検知対象が車両のみで、しかも2.5Lエンジン車には装着できない。3.5Lのみだから装着比率が低くなってしまう。このように設定が分かれるミニバンの中から選んだ推奨車種は、トヨタのヴェルファイア&アルファードだ。

トヨタセーフティセンス(設計の新しいタイプだからPやCの末尾表記が省かれる)が全車に標準装着され、センサーにはミリ波レーダーと単眼カメラを併用する。

従来型のトヨタセーフティセンスPに比べると、対象物の検知能力が高まり、昼間であれば自転車にも対応可能になった。このほかサイド/カーテン/ニーエアバッグ、運転支援の機能として全車速追従型クルーズコントロールなども標準装着されている。

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