■車検期間が異なるので要注意
ただし4ナンバーの商用車には、後席が狭くなること以外の注意点もある。まず車検期間が異なる。軽乗用車は届け出が行われた後、最初の車検は3年後だが、軽商用車は2年後と短い。
小型/普通商用車と違って、車検を毎年受ける必要はないが、最初は違いが生じる。例えば購入後5年弱で売却する場合、軽乗用車なら車検を受けるのは1回だが、軽商用車では2回になる。
任意保険にも注意したい。保険によっては、商用車の場合、21歳/26歳未満不担保といった年齢条件を付帯できないことがある。
年齢条件によって保険料を引き下げたいユーザーは、年齢条件の有無による不利が生じないかを確認したい。その代わり軽自動車税は、自家用軽乗用車は年額1万800円だが、自家用軽商用車は5000円と安い。
後席を格納する時は、ヘッドレストをはずして背もたれを前側に倒した後、前方へ落とし込むように格納する。そうすると平らな荷室が広がり、2名乗車時の荷室長は1820mm、荷室幅は1265mm、荷室高は1215mmとなる。
さらに新型では、前述の通りボディパネルの上に向けた絞り込みを抑えて、シートベルトの金具など、車内の出っ張りも減らした。
後席のサイドウインドウの開閉方法も、上下にスライドさせる方式から、ウインドウを外側へ少し張り出させる方式に変更した。これらの細かな変更により、荷室の側面や床の突起が抑えられ、大きな荷物の収納性が向上している。
後席のサイドウインドウが外側へ少し張り出させて開く方式に変わると、サイドウインドウを開けたことによる開放感は不十分だ。それでも後席の使用率は10%だから。荷室の突起を減らすことを優先させた。
荷室の側面や上側には、ユースフルナットが装着される。捩じ込み式の穴で、棚やネットなどを装着する時に便利に使える。この穴の数もグレードによっては2倍に増やし、アトレーなどは17個、デラックスとスペシャルは31個と多い。
ハイゼットカーゴは、アトレーのベーシックなグレードだから、基本的な作りは共通だ。ただしデラックスやスペシャルの後席は、シンプルな作りになり、ヘッドレストも装着されない。前後席の間隔や後席の足元空間はアトレーと同じだが、ほとんど補助席に近い作りになる。
■マイナーチェンジを受けたハイゼットトラックはデフロック付きCVT用搭載
マイナーチェンジを受けたハイゼットトラックもチェックした。シャシーは先代型と共通だが、フロントマスクなどはハイゼットカーゴに準じた形状に進化している。メーターやスイッチ類の視認性や操作性も向上させた。
ハイゼットトラックの4WDでは、従来は5速MT専用だったスーパーデフロックをCVTにも組み合わせた。極端に滑りやすい路面では、4輪駆動時にデフロックも作動させると、悪路走破力が向上する。
トラックは幅の狭い農道を走る機会が多く、直角に曲がる場所もある。そのために小回りの利きが重視され、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を1900mmに抑えた。この効果により、最小回転半径は3.6mで小回りの利きは抜群だ。
アトレーとハイゼットカーゴのホイールベースは2450mmと長く、走行安定性と乗り心地では有利だが、最小回転半径は4.2mになる。それでも小回り性能は優れているが、ハイゼットトラックに比べると差が開く。
ただしハイゼットトラックでは、シートの下に前輪があるから、乗降性はいまひとつだ。スーツを着て乗るクルマではないが、乗降時に衣類が前輪に触れて汚れることも考えられる。アトレーやハイゼットカーゴに比べて、作業車の性格が強い。
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