新型アトレー ハイゼットカーゴ ハイゼットトラックの実車を子細チェック!

■キャビンの広さはウリのハイゼットジャンボ

ハイゼットトラック販売の約20%を占めるハイゼットトラックジャンボはキャビンの広さを追求したモデル
ハイゼットトラック販売の約20%を占めるハイゼットトラックジャンボはキャビンの広さを追求したモデル
ジャンボのシート後部には横幅1345mm、長さ175mmほどのスペースがある
ジャンボのシート後部には横幅1345mm、長さ175mmほどのスペースがある
ハイゼットトラックジャンボの頭上空間のスペースは広く非常に便利
ハイゼットトラックジャンボの頭上空間のスペースは広く非常に便利

 ハイゼットトラックで注目されるのが、室内空間の上側を拡大したジャンボだ。ハイゼットトラックの販売総数の内、約20%をジャンボが占めて、人気のモデルになった。

 ジャンボの全高は1885mmだから、スタンダードルーフに比べて105mm高く、頭上にはタップリした空間がある。

 高い天井を生かして、ワイドなオーバーヘッドシェルフも装着され、収納性も優れている。室内空間を張り出させた上側は荷室長が短くなるが、下側の荷室面積は十分に広い。従って薄くて長い脚立などは積みやすい。

■軽商用としては異例の豪華装備を満載

安全装備については、現行のスマートアシストIIIから、ステレオカメラを使用した最新のスマートアシストを新採用。衝突回避支援ブレーキ機能をはじめ、衝突警報機能、車線逸脱警報、前後誤発進抑制、オートライト、ハイビームアシスト、全車速追従機能付きACC(アトレーのみ)など13種類(アトレーは14種類)の予防安全機能を搭載
安全装備については、現行のスマートアシストIIIから、ステレオカメラを使用した最新のスマートアシストを新採用。衝突回避支援ブレーキ機能をはじめ、衝突警報機能、車線逸脱警報、前後誤発進抑制、オートライト、ハイビームアシスト、全車速追従機能付きACC(アトレーのみ)など13種類(アトレーは14種類)の予防安全機能を搭載
軽商用車では初めての装備として、ルームミラーを液晶表示にしたスマートインナーミラーも採用した。商用車の場合、背の高い荷物を積むと、通常のルームミラーでは後方が見えなくなった
軽商用車では初めての装備として、ルームミラーを液晶表示にしたスマートインナーミラーも採用した。商用車の場合、背の高い荷物を積むと、通常のルームミラーでは後方が見えなくなった

 装備面では、安全装備のスマートアシストを進化させた。ハイゼットトラックも含めて、センサーとなるステレオカメラを刷新している。

 従来の衝突被害軽減ブレーキの検知対象は、歩行者と4輪車だったが、新たに自転車やモーターサイクルにも対応できる。衝突被害軽減ブレーキの作動速度も引き上げた。

 さらに車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報、進入禁止や一時停止などの標識をディスプレイに表示する機能、ハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑えるLEDヘッドランプのアダプティブドライビングビームなども加わった。

 運転支援機能としては、車間距離を自動制御できる全車速追従型クルーズコントロール、車線の中央を走りやすいように操舵制御を行うレーンキープコントロールなども用意した。

 特に注目されるのが、クラス初採用のスマートインナーミラーだ。ボディの後部にカメラを取り付けて、その映像を液晶のインナーミラーに表示する。

 この装備はアトレーやハイゼットカーゴにも用意されるが、ハイゼットトラックは特に利用価値が高い。トラックは背の高い荷物を積むことが多く、後方視界も妨げられやすいからだ。ハイゼットトラックをベースにした保冷車などは、荷台に大きなボックスを架装している。

 通常のルームミラーは機能しないので、スマートインナーミラーが有効だ。ただしハイゼットトラックのスマートインナーミラーのカメラは、低い位置(リアナンバープレートの上側付近)に装着される。

 カメラの角度を上向きにしてはいるが、後方を走る車両との車間距離が近い時は、後続車の下側しか映らない。その点でアトレーとハイゼットカーゴでは、カメラが高い位置に装着されるから、後続車のフロントマスクも分かりやすい。

 軽商用車は、軽乗用車以上に競争が激しい。そのために荷室容量は歴代モデルによって突き詰められ、ほとんど差が生じない状態になっている。軽商用車の場合、全長/全幅/全高の規格枠が厳然と設定されているので、荷室の面積や容量は、もはやほとんど拡大できないのにだ。

 そこでさまざまな使い勝手を工夫している。アトレーとハイゼットカーゴでは、荷室については出っ張りを抑えて、収納性をさらに向上させた。そして内装の質感、前席の座り心地、収納設備、安全装備などをバランス良く改善して、価格はタントのような軽乗用車以上に割安に抑えた。

 価格はハイゼットカーゴが104万5000円~160万6000円、ハイゼットデッキバンが132万~170万5000円。アトレーが156万2000円~182万6000円。アトレーデッキバンが191万4000~206万8000円。ハイゼットトラックが90万2000~134万2000円、ハイゼットトラックジャンボが109万4500~145万2000円。

 ダイハツは2021年1~11月に1ヵ月平均で1万2800台の軽商用車を販売した。スズキの9200台を大幅に上まわる。

 この優位な立場を守ることも視野に入れ、新型アトレー/ハイゼットカーゴ/ハイゼットトラックは、渾身の開発を行っているのだ。

■各車種のエンジンスペック&WLTCモード燃費
●アトレーRS、X、デッキバン全車種(658㏄、直3ターボ、64ps/9.3kgm、CVTのみ)
WLTCモード燃費:14.7km/L(FR、4WD)
●ハイゼットカーゴ
・クルーズターボ(658㏄、直3ターボ、64ps/9.3kgm、CVT車のみ)
WLTCモード燃費:14.7km/L(FR、4WD)
・クルーズ、デラックス、スペシャルクリーン、スペシャル、デッキバンG、L(658㏄、直3NA、5MT車は46ps/6.1kgm、CVT車は53ps/6.1kgm)
WLTCモード燃費:5MTのFR、4WD車は14.9km/L。FRのCVT車は15.6km/L
※市街地モード、郊外モード、高速道路モードは車種によって違いあり
●ハイゼットトラック(FR/4WD)
・スタンダード、ハイルーフ、ジャンボ全車種(658㏄、直3、46ps/6.1kgm)
WLTCモード燃費:5MT車のFR、4WDは15.6km/L。CVT車のFRは16.5km/L、4WDは15.8km/L

【画像ギャラリー】17年ぶりにフルモデルチェンジしたアトレー、ハイゼットはどれほど進化したのか写真をチェック!!(46枚)画像ギャラリー

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