2022年9月2日、顧客満足度(CS)調査や消費者動向に関するリサーチ・コンサルティング会社「J.D. パワージャパン」が、クルマの保有や利用に関するアンケート調査結果を公開した。「今後検討するクルマの保有や利用方法」を聞いたところ、「新車購入」が約5割、「中古車購入」が約3割、サブスクやリースは1割以下にとどまった。以下、アンケート内容と簡単な分析をお届けします。
文/ベストカーWeb、J.D.パワージャパン、写真と画像/AdobeStock(アイキャッチ画像は@ha-po illustration)、J.D.パワージャパン
■クルマの買い方、持ち方は、どういうクルマが欲しいかによって変わる?
調査会社「J.D.パワージャパン」がインターネットを使って20~69歳の計2,800名に「今後検討する、クルマの保有や利用方法」を調査したところ(調査期間は2022年7月)、「新車の購入」が51%、「中古車の購入」が32%で、従来から変わらないクルマの購入方法が8割以上を占めた。
回答は以下、レンタカー(15%)とカーシェア(6%)の利用が続き、最近話題の「サブスクリプションサービス(サブスク)」での保有を検討しているユーザーは、わずか4%に留まった。これは昨年(2021年)6月に行ったアンケート調査からほぼ変わっていない。まだまだ知名度が低く、かつ「購入の仕方」としての選択肢に一般的に入るとは言いがたい現状が浮き彫りになった。
とはいえ現在のクルマの買い方は「一度買ったクルマは10~15年は保有し続ける」という生活習慣と強く結びついているとも考えられる。たとえばこの先、新車試乗でEVが主流になって、クルマのバッテリー劣化速度や機能追加のサイクルが(携帯電話やスマホのように)早まり、5~6年で乗り換えるライフスタイルが主流になると、こうした「保有の仕方」の考え方も変わってくるかもしれない。
■新車メーカーやディーラーへの信頼感が強し
同アンケートでは「新車の購入」を選んだユーザーにその理由も聞いており、最も多く挙がったのは「安全機能を装備したクルマに乗りたい」(35%)、次いで「正規ディーラーでサービスを受けたい」(30%)だった。新車購入を検討する消費者の安全機能への関心の高さや、メンテナンスやサポート等、正規ディーラーでのサービスに対するニーズの高さが伺える。
昨今、Webを使った自動車販売や試乗・点検予約サービスが充実してきているが、まだまだ底堅い「新型車メーカーと新車販売ディーラーへの信頼感」を裏付ける結果といえる。
いっぽう「サブスク」を選んだユーザーにもその選択肢を選んだ理由を聞いており、「定額制」と「初期費用」がトップ2を獲得。「定額制で費用管理が楽そう」が66%、「初期費用を抑えたい」が52%という結果だった。また、「手続き等が手軽・簡単そう」が32%となっており、サブスクの支払い方法や手続き方法のメリットがユーザーに浸透してきたと言えそうだ。
ちなみに半年から1年待ちが常態化しているトヨタ系の人気車(ヴォクシーやシエンタ)が、サブスクサービスのKINTOなら1.5~2カ月で納車される。マジかーー(マジです。新型クラウンでも納期3カ月)。
また、費用面でのメリットを理由に挙げる人が多い一方で、「クルマを短期間で乗り換えたい」というニーズも、サブスク利用に関しては20%と、「新車購入」(3%)や「中古車購入」(7%)と比べて高いこともわかった。「新しいクルマに次々と乗り換えたいからサブスクを使う」という、いささか「濃いクルマ好き」の需要に、サブスクサービスがどこまで対応できるかがひとつのカギとなりそうではある。
「百年に一度の変革期」と言われる自動車界、「クルマの保有の仕方にまつわる意識」も少しずつ変化している。とはいえ現時点でもまだまだ多くの人は「新車ディーラーか中古車販売店で購入したい」と考えていることが、今回の調査でわかった。
いっぽう同調査では「サブスク、カーリース、カーシェアの認知度」も調査しており、まだまだ全世代、全ユーザーに浸透しているとはとても言いがたい、という結果も出た。多様な「クルマの保有方法」の認知度が広まれば、その人に合った購入方法の選択肢も増えて、カーライフ全体の底上げにもなるだろう。
新車購入、中古車購入、カーリースやサブスク購入は、それぞれ反発しあう選択肢ではなく、クルマをめぐる「出会い方と付き合い方の違い」と考えたい。
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