テスラ モデルS 『何が凄くて、何が使いづらいか』がわかる!? 何もかも異次元!! “車っぽくない車”試乗記

意外!? 『手動運転』時に自動ブレーキは作動しない

 その半面、オートパイロットを使っていない状態では、緊急自動ブレーキが作動しないという。あくまでもオートパイロットが主役だ。

 またヘッドランプの点灯などはオート化され、昼間の点灯はパッシングになる(設定を変えるワザがあるかも知れない)。キーを携帯して降車するとロックされ、乗り込んでブレーキペダルを踏むと起動するが、オン/オフのスイッチは見当たらない。慣れないと使い方が分かりにくい面もある。

 インパネは中央に装着された大型のモニター画面ですべてを操作する。質感は高級車では特に高いとはいえず、前席中央のカップホルダーは固定式で少し底が浅い。

 居住性はLサイズとあって前後席ともに広い。後席は床と座面の間隔が不足気味で膝が少し持ち上がるが、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ程度の余裕があった。

 4名で長距離を移動するのに支障はない。ボディ形状は5ドアハッチバックで、リヤゲートは大きく開く。

独特のインパネを持つモデルS(左)。後席も余裕のあるスペースで居住性は高い
独特のインパネを持つモデルS(左)。後席も余裕のあるスペースで居住性は高い

ガソリン車よりお得!? モデルSはAMGより起業家に似合うツール!?

 電力の消費量は2回に分けてメーターで計測すると、195wh/km、217wh/kmであった。エアコンを使いながらいろいろな走り方をして、起動状態で撮影なども行ったから、悪条件で計測したデータと考えていただきたい。

こちらが給電口。リーフなどのEVはフロントに給電口があるが、モデルSはテールランプの側面にある。いっけんすると、その発見はなかなか困難だ
こちらが給電口。リーフなどのEVはフロントに給電口があるが、モデルSはテールランプの側面にある。いっけんすると、その発見はなかなか困難だ

 日本における日常的な使い勝手という点ではサイズを含めて不満もあり、モデルS・P100Dは100kWhのリチウムイオン電池を搭載するから価格は1704万1000円だ。

 価格を考えるともう少し質感を高めたいなどと感じたが、動力性能は超絶的に優れ、長距離を移動する用途には適する。

 そして何よりも「新しい乗り物」を使っている実感が強い。IT関連の企業を立ち上げて、業績が右肩上がりの経営者などが魅力を感じるのは分かる気がする。

 常に新しい事業を考えて、モチベーションを高めておきたい人達には、メルセデスベンツのAMGなどよりも気分に合うだろう。

 前進を続けていないと競争に負けてしまう、肉食系にならざるを得ない切実な毎日を生きる人達に向けた、メンタルなツールのように思えた。

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