ボルボのパーツを多用することによる安心感
で、ここではタクシーの運転手さんになった気持ちでドライブしてみよう。
まず英国ゆえに右ハンドルだ。これは助かる。ちょっとSUVチックなドライビングポジションでアイポイントが高く見通しもいい。
ディスプレイ類はステアリングの奥に速度計などの丸形3連メーター。そして左側のダッシュにはナビなどのディスプレイが完全にドライバー向けにオフセットされている。
助手席からは見えなく、運転手さん専用だ。そしてじっくりこのダッシュパネル周りを見渡すとナビディスプレイはほとんどボルボと同じ。
ディスプレイもシフトノブなどの操作類もほぼボルボのモノがそのまま使われている。したがって操作性もよく、安心感も高いというもの。
走り出す前は神経質で運転が難しいのでは? と勝手に予想していたのだが、まったくそのようなことはなく、むしろ日本でも使い慣れたボルボのシステムのおかげで違和感なくなじみやすいのだ。
そして一番心配していた全幅2036mmという大きさ。ミラー格納時の全幅は1945mmなので実際に運転しているときにはそれほど横幅を感じずに運転することができる。
少し気を付けるとすれば車重が2310㎏で客席6人フル乗車だとそれなりの重量になるので、ブレーキは早めに早めにというのを心掛けた。
今回は筆者を含めて2名乗車だったので、その場合はまったく問題ないブレーキで大丈夫。
そしてEVゆえに停止&発進がとてもスムーズでストレスがない。とにかくこの重い車体でも普通のガソリン車以上にスッと加速する。
背の高いこの大きな車体からは想像ができないほどスムーズで、都内のストップ&ゴーでもほとんど疲れないのだ。
で、実際に走ってみるとやはり最小回転約4.0mは素晴らしい。細目の路でも1回でUターンが可能。この大きさからはまったく想像がつかない。
独特の6人乗り仕様
では後部の客席に乗り込んでみよう。
まず感じるのが室内の広さだ。乗降部の大きさはジャパンタクシーでは720(横幅)×1300(高さ)mmだがロンドンタクシーでは857(横幅)×1319(高さ)mmとなっている。
こう見ると車格の割にはジャパンタクシーもよくできていることがわかるが、室内に入り込むとその差は歴然でとにかくスペース感が大きい。
3席ずつ向かい合わせに座る6人乗りなのだが、前方側のシートは跳ね上げ式となっていて、使わなければその広いスペースに車椅子を入れることができる。
専用のスロープも付いているので無理なくスムーズに乗ったまま搬入ができるのだ。専用のスロープそのものの耐荷重も250㎏と十分な余裕がある。
特筆なのは走行中の室内静粛性。EVゆえに静かなのは確かにそうなのだが、ボディの造りがとても堅剛でロードノイズを含めて非常に静か。
この広い空間といい、とにかくストレスフリーなのだ。運転席ともパネルで完全遮断されているので防犯もコロナも心配ないだろう。さらに運転席とはマイクを介して通話ができるようになっている。
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