新型ソリオ絶賛!! 早くもヒット中 スズキ渾身の新車にプロがうなった長所は…?

「これぞ、究極のドメスティックカーだ!!」――。スズキは、小型自動車「ソリオ」、「ソリオバンディット」をフルモデルチェンジし、12月4日より発売開始した。

 先代の3代目ソリオが登場したのは2015年のこと。コンパクトで取り回しのよいボディと、広い室内空間を両立し、後席両側スライドドアや、前後左右ウィークスルー、使い勝手にとことんこだわったインテリアなど、国内で大きな支持を集め、販売台数を伸ばしてきた。

 現在では、スズキの小型車の中で最も売れている小型車にまで成長している。4代目となる新型ソリオ/ソリオバンディットは、ソリオ本来の魅力はそのままに、後席の快適性や、荷室の広さを中心に改良を施し、予防安全などの最新技術も盛り込んだ。

 今回、この新型ソリオ/ソリオバンディットに、公道で試乗させていただいたので、その魅力をお伝えしたいと思う。

文/吉川賢一、写真/池之平昌信、SUZUKI、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】横になっても大丈夫なほど広い新型ソリオの室内をチェック!(34枚)


■ソリオのお客様は「賢い」買い物が得意

4代目となる新型スズキソリオ。高品質なエクステリアデザインに進化した
3代目となる新型スズキソリオバンディット。初代バンディットは2代目ソリオに追加設定された

 スズキによると、ソリオのお客様は、クルマについての情報を調べ、実際に店舗へ足を運んだ上で購入される方が多いそうだ。

 営業マンの言葉に乗せられたり、その場の勢いで買ってしまったりせず、冷静にクルマの長所・短所を把握した上で、お買い物をする。

 そのため、どれほど進化したのか、そしてコストパフォーマンスは高いのか等、他のクルマ以上にアピールを大切にしたという。

 新型ソリオの開発にあたっては、お客様や販売現場の声を重視し、先代ソリオの課題と、新型ソリオに期待する点を把握していったそうだ。

 その結果、新型ソリオは、エンジン特性や燃費、静粛性、乗り心地といった基本性能のポテンシャルアップと共に、デザイン、パッケージング、安全装備、使いやすさ、快適性など、全方位で、スズキ自らが自慢できるレベルに達したそうだ。

先代スズキソリオ。押し出しの強いフロントマスクを採用
先代のソリオバンディット。新型モデルに似た上下分割のいヘッドライトデザイン

 しかも質感を上げながらも、コストは徹底的に管理し、手に入れやすい価格で提供することを目指したという。

 例えば、カラーヘッドアップディスプレイ(スズキの小型車で初、HYBRID MZのみ)、アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付、HYBRID MZ/MXのみ)、6エアバッグ全車標準、予約ロック付の後席パワースライドドア(HYBRID標準)、などキャッチーなアイテムを多く採用している。

ソリオのMZとバンディットのMVには天井部分にサーキュレーターが装着される。フロントから入った空気を後方に流すことで、冷房の効率が向上し、前後席の温度を均一化する

 また、車室内の空気を循環させるスリムサーキュレーター(MZのみ)も、ナイスなアイディアだ。エアコンの導入口をピラー内に這わせるよりも、ずっとリーズナブルであり、そして効果も十分ある。

■コンパクトなのに室内が広い!!秀逸なパッケージングはGOOD!!

前席、後席の位置はそのままに、後輪から後ろ側を80mmほど伸ばした。旧型ソリオと比べ、後席スライド時の広さと、荷室容量は圧倒的に増した

 ボディサイズは3790(+80)×1645(+20)×1745(±0) mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2480(±0)mmと、先代ソリオに対して大型化したが、国内での使い勝手を考えると、コンパクトなボディサイズに収まっている(※カッコ内は先代ソリオ比)。

 全長を伸ばした分はすべて、荷室エリアの拡大に使っている。また、横幅を広げたことで、後席の肩回りのスぺ―スに余裕が生まれ、後席の居心地がとても良い。

後席、助手席を倒せば、身長166cmの筆者が足を延ばして横になっても余裕があるほどに広い

 足も余裕で組めるし、後席シートをリクライニングすれば、圧倒的なくつろぎ空間となる。同社のスペーシアのような、軽スーパーハイトワゴンの後席の広さですら驚いていたが、この新型ソリオは、その比ではないほどに広い。

 資料によると、荷室に35Lクラスのスーツケースを5個積んでも後席のひざ前に余裕があるそうだ。 また、後席を倒せば、フラットで広大なスペースが誕生する。

助手席まで倒せば、長物が収納できる

 試しに横になってみたが、身長170cm弱の筆者なんて余裕で収まる寸法だ。車中泊で寝返りをするには、もうちょっと幅が欲しいところだが、コストコやIKEAで巨大なアイテムを買っても、余裕で積み込むことができるだろう。

 荷室下のラゲッジボード下の空間も、買い物かごがすっぽりと入るほど広く、使い方は無限大だ。

■キープコンセプトだがハイグレードな雰囲気のフロントフェイスに変身!!

高い位置に来たフード前端のおかげで、きりりとしたフロントフェイスへと進化した。LEDヘッドライトのアクセントもカッコよい
2本のラインとなるバンディットのフロントマスク。グリルの模様は、開発者こだわりの造形だ

 新型ソリオ/ソリオバンディット共に、フード前端を45mmも高さを上げたことで、これまでの鼻先が落ちた雰囲気から、ボクシー(四角)なデザインとなり、フロントマスクが精粋になった。

 LEDヘッドライトのインナーもカッコよく、まとまり感のあるデザインとなった。なお、バンディットのフロントグリルの三角形の集合体のデザインは特にこだわったそうで、バンディットの大きな特徴となっている。

大型のナビゲーションモニターを中心としたソリオのインテリアは、エアコンやオーディオ、ナビなど操作がしやすい位置にすべての装置があるので使い勝手が良い

 ソリオとソリオバンディットのインテリアは、基本的なレイアウトやデザインは同じで、インパネのカラーが異なる程度だ。

 大型のナビゲーションモニターを中心としたインテリアも、エアコンやオーディオ、ナビなど操作がしやすい位置にすべての装置があり、使い勝手が良い。

 なお、9インチの全方位モニター付ナビ(税込18万7000円、なお「全方位」にはカメラパッケージ(5万5000円)も要)のほかにも、ディーラーOPでは大画面10インチナビモニタ(25万2505円)、後席モニター(10.1インチ、税込11万3520円)なども、用意されている。

 また、ドライバー側へと向きを調節したセンターメーターや、ヘッドアップディスプレイは、視線移動量の低減が見込め、運転しやすい。最小回転半径4.8mも、どんな所でも小回りがしやすく、狭い道でも困ることはないだろう。

ヘッドアップディスプレイの表示は、ハンドル右下のスイッチで高さ調節できる

 ただし、ステアリングホイールの調整はチルト(角度調整)のみとなる。ハンドルとの距離を合わせるため、座席を前方へ出すのだが、そうすると今度は、足元の落ち着きが良くない。この点は覚悟をしておく必要がある。

 テレスコピック(前後位置調整)については、コストの問題などがあるだろうが、左足のフットレストの角度はもう少し改善の余地があるように思う。ACC搭載車ならば、セットで右足用のフットレスト(もしくは平らな置き場所、ライズ/ロッキーはできている)も欲しいところだ。

 左右の足を突っ張ることができると、高速走行時に、身体への負担を大幅に下げられるからだ。コストは基本的にかからない工夫なので、織り込んでいただいたいと思う。

■良い意味で期待を裏切られたのは「静粛性の高さ」

1.2リッター直列4気筒のK12C型デュアルジェットエンジン、又はそのエンジンにISG(モーター機能付発電機)とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド

 エンジンは、1.2リッター直列4気筒のK12C型デュアルジェットエンジン、もしくは、そのエンジンにISG(モーター機能付発電機)とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドだ。

 減速時のエネルギーを回生し、加速時にアシストすることで、燃費抑制と、良好な出足の加速をすることができる。

 撮影機材一式と大人3人乗車ではあったが、想像していたよりも出足が良かったのは、このモーターアシストによる恩恵だろう。なおWLTC燃費は、ガソリン車が17.8km/L~19.0km/L、マイルドハイブリッド車は18.4km/L~19.6km/Lだ。

ソリオの乗り心地はとてもよい。静粛性も素晴らしい

 さらに、良い意味で期待を裏切ったのが「静粛性の高さ」だ。時速60km程度で巡行走行しているとき、ロードノイズの「ゴー」音が聞こえはするが、その音量は小さく、1クラス上のミニバンに乗っているような感覚になる。

 減速していくと、途中からエンジンが休止するマイルドハイブリッドシステムによって、赤信号で停止する数秒前からより静かになる。

 開発担当の方によると静粛性のアップは相当に苦労したそうで、エンジンを吸音するサイレンサーや、ルーフをたたく雨音抑制のための高減衰マスチックシーラーを採用、ホイールハウス内を覆うリアフェンダーライニングを全面化した。

 またリアのトーションビームの内部に入れたスタビライザーの振れを防ぐスタビライザーストッパーなど、目に見えない部分へも潤沢に静粛性向上アイテムを導入したという。

ソリオバンディットもソリオ同様の快適性と静粛性を持った走りだ

 これらのアイテムによる静粛性の高さによって、乗り心地まで良くなったように感じた。

 実際には、フロントのバンプストッパーをウレタン化(通常は安いゴム製)したり、リアサスペンションのストローク量を増大したり、高応答・飽和特性ピストンバルブを使うなど、操縦安定性と乗り心地の改善も狙ったという。

 さらには、ちょっと前までは欧州高級車にのみ見られていた「構造用接着剤」も、リアの開口部やリアフロアへ部分的に採用するなど、快適な移動空間になるよう追及したということだ。

■コストパフォーマンスに優れた一台だ

広く快適な室内と優れた燃費がソリオ/ソリオバンディットの魅力だ

 新型ソリオの販売価格は、ガソリンエンジン車のGが158万1800円~170万7200円、マイルドハイブリッド車が185万200円~214万8300円。ソリオバンディットは200万6400円~213万1800円。

 筆者のおすすめグレードは、アイテムが充実したマイルドハイブリッドの「MZ」だ。

 ライバルとなるホンダフリードやトヨタシエンタのように、3列シート車の計画は現時点ないようだが、さほど使うことのない3列目のために、余計な重量増加や追加コストをかけるよりも、割り切った広い車内を、リーズナブルに提供する方が賢い選択だ、といえる。

 コストパフォーマンスに優れ、これほどに使い勝手の良いコンパクトミニバンはあまりない。月間販売目標4000台も余裕でクリアするだろう。ファミリー層にはぜひ検討に入れていただきたい一台だ。

ソリオ/ソリオバンディット価格表

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